「イカしてます!」救命のプロが開発「イカポンチョ」 いざという時の「イカ泳ぎ」広める

AI要約

海難救助のプロが開発したイカポンチョがSNSで話題に。ウェットスーツ生地で日焼けも防ぎ、イカ泳ぎを広める補助具として注目されている。

イカポンチョは大中小の3種類あり、子ども向けの講習会で使用されている。商品化の予定はないが、SNSで注目を集めている。

イカ泳ぎは水難事故での被害防止のため、新たな泳法として提唱されている。従来の背浮きに比べて安全性や効果の面で優れていることが実証されている。

「イカしてます!」救命のプロが開発「イカポンチョ」 いざという時の「イカ泳ぎ」広める

浮力があって日焼けも防げる。海難救助のプロたちが開発した、ウェットスーツ生地の「イカポンチョ」がSNSで話題になりました。イカポンチョを着て海で泳ぐ動画は、SNSで100万回近く再生されています。ユニークなグッズを作った背景を聞きました。

イカポンチョを作ったのは、海難救助や洋上救急に取り組む公益社団法人・日本水難救済会(水救会)です。

X(旧Twitter)にイカポンチョを着て泳ぐ動画を投稿すると、「ちゃめっけあふれるデザイン」「イカしてます!」「ほしい」「どこで買えますか?!」といったコメントが寄せられ、注目を集めました。

イカポンチョはウェットスーツの素材で作った遊泳補助具で、大中小の3種類があります。「ほしい」という声もありましたが、今のところ商品化の予定はないそうです。

では、なぜこんなユニークなグッズを作ったのでしょうか?

動画で泳いでいた「イカ親父」こと水救会の常務理事・江口圭三さんは、「子ども向けの講習会で、『イカ泳ぎ』を広めるため」と話します。

「イカ泳ぎ」の正式名称は「エレメンタリー・バックストローク」。おなかを上にしてあごを引き、手足をゆっくりあおって泳ぎます。水難事故での被害防止のため、水救会が勧める新たな手段です。

海や川、プールで溺れそうになったときや流されたとき、これまでは大の字で背浮きをして、救助が来るまで「浮いて待て」とする方法が推奨されてきました。

しかし、水救会などによる実証実験では、「大の字背浮き」の場合、波風のある状況では水が顔にかかって呼吸困難になるという結果が出ました。また、助けを求めようと大声を出すと水を飲みこんでしまったり、肺から空気が出て沈んでしまったりするリスクが分かったそうです。

一方、「イカ泳ぎ」のメリットは、顔を上げていられるため呼吸をしやすい▽声を出したり、片手を振ったりして助けを求められる▽着衣でもライフジャケットを着けていても負担が少ない▽疲れにくい▽習得しやすいーーといったことが上げられるといいます。