大企業の生成AI活用、浸透は限定的--テックタッチ調査

AI要約

生成AIを活用している大企業の実態調査結果が発表された。回答企業のほとんどが活用度が低く、使用頻度も週に数回が最も多いという結果になった。

生成AIの活用用途は文章編集やプレゼンテーション資料作成など多岐にわたるが、活用が進んでいない理由として業務で必要なケースがないという回答が多かった。

生成AI活用の課題や活用促進のために必要なことも明らかになり、具体的には活用例の提示やインタフェースの改善が求められている。

大企業の生成AI活用、浸透は限定的--テックタッチ調査

 テックタッチは7月10日、生成AI活用の実態調査結果を発表した。この調査は、従業員1000人以上の大企業で生成AIを活用している会社員416人を対象に実施した。調査結果によると、生成AIを「大半が活用できている」「ほぼ全ての人が活用できている」と回答した企業は、全体の1割程度にとどまるという。

 また、生成AIの使用頻度は「週に数回」が33.4%で最も多く、「毎日」は21.2%だった。以下、「月に数回使用している」(18.5%)、「ほとんど使用していない」(26.2%)が続き、いまだ日常的にビジネス活用できる状況にはないことが明らかになったとテックタッチは述べる。

 活用状況については、「ほぼ全ての人が活用できていない」「大半が活用できていない」が合わせて49.0%に上り、「大半が活用できている」「ほぼ全ての人が活用できている」との回答は合わせて12.8%だった。

 生成AIの活用用途は、「文章編集・添削」(58.6%)、「プレゼンテーション資料作成」(42.8%)、「議事録の自動化」(41.4%)が上位を占める結果となった。

 一方、活用が進んでいない理由としては、「業務で必要なケースがない」(58.7%)、「利用用途がわからない」(28.4%)、「セキュリティ上の懸念がある」(11.9%)などが挙げられた。

 生成AI活用における課題については、約8割が課題を感じると回答。「どのように活用するのかが一覧でわからない」(49.8%)、「AIの生成結果が意図通りでない」(41.6%)、「インタフェースが使いにくい」(39.1%)などが具体的な課題として挙げられた。

 活用促進に必要なこととしては、「業務での具体的な活用例提示」(45.9%)、「プロンプト作成の簡易化」(44.5%)、「既存システムとの連携」(41.1%)などが上位を占めた。