なぜLUUPは無免許運転できるのに、電動スーツケースはダメなのか

AI要約

日本の法律上、電動スーツケースは免許が必要な原付として扱われるが、電動キックボードや電動シートボードは16歳以上なら免許不要の特定小型原動機付自転車に分類される。

電動スーツケースは速度や性能が原付と同等なのに対し、電動キックボードは厳格な基準を満たすことで軽い規制が適用されている。

今後免許不要の電動スーツケースが登場する場合、低速動作や制限が必要だが、実用性が低下する可能性がある。

なぜLUUPは無免許運転できるのに、電動スーツケースはダメなのか

なぜ「電動スーツケース」の公道走行には免許が必要で、LUUPなどが提供している「電動キックボード」「電動シートボード」などは、16歳以上であれば免許がいらないのか。理由は法律上の違いにある。

 免許を持たずに「電動スーツケース」に乗って歩道を走ったとして、2024年3月、大阪市で中国籍の留学生が道路交通法違反の疑いで書類送検された。一方、電動キックボードなどのシェアリング大手LUUPは6月25日、座席・カゴ付きの新車両「電動シートボード」を発表している。

 

 なぜ「電動スーツケース」の公道走行には免許が必要で、LUUPなどが提供している電動キックボードや電動シートボードは、16歳以上であれば免許なしでも公道を走行できるのか。理由は法律上の違いにある。

 

 日本では、現在流通している最高速度11km/hなどの電動スーツケースは原動機付自転車(原付)として扱われるため、運転には免許が必要となる。

 

 一方、LUUPの電動キックボードは、2023年7月1日の道路交通法改正により「特定小型原動機付自転車」という新しい区分に分類された。この改正により、16歳以上であれば免許なしで運転できるようになった。ただし、ヘルメット着用は努力義務とされ、自賠責保険加入とナンバープレート取得は必要だ。

 

 この違いの主な理由は、電動スーツケースが従来の原付と同等の性能を持つのに対し、特定小型原動機付自転車に分類される電動キックボードは、速度制限や車体サイズなどの厳格な基準を満たすことで、より軽い規制が適用されているためだ。

 

 もし今後免許なしでも公道を走れる「電動スーツケース」が登場するとすれば、最高速度を6km/h以下に制限するなど、シニアカーや電動車椅子と同等の扱いとなる必要があるだろう。ただし、そのような低速動作では実用性が低下する可能性があるかもしれない。

 

 

文● ASCII