IIJmioが「ご愛顧感謝特典」を新設、複数回線/家族割引や2台目端末の「優待券」を配布する狙いとは

AI要約

インターネットイニシアティブ(IIJ)は、MVNOサービス「IIJmio」で、優待プログラム「IIJmioご愛顧感謝特典」を開始する。

IIJmioの2023年度の施策として、ギガプランのデータ量増量や、音声eSIMの提供開始、物理とeSIMの交換対応を実施。

端末販売についても「好調」で、優待券や家族割引、長期利用特典など、様々な施策が展開される。

今回の特典では、端末価格を割引する「優待券」、複数回線契約での月額料金割引「家族割引」、長期利用者にはデータ量プレゼントや手数料割引の「長期利用特典」などが提供される。

施策を通じて、旧プランからの移行促進も意図されている。

亀井氏は、特典提供の背景や効果についてコメントしている。

メーカーごとの端末残存率の違いや、優待券の重要性についても言及され、いくつかの段落で具体的な施策や背景が紹介されている。

IIJmioが「ご愛顧感謝特典」を新設、複数回線/家族割引や2台目端末の「優待券」を配布する狙いとは

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、MVNOサービス「IIJmio」で、優待プログラム「IIJmioご愛顧感謝特典」を開始する。「IIJmioモバイルサービス」での端末割引や、複数回線契約での家族割引、長期利用特典などがスタートする。

■ 現状と課題

 IIJ MVNO事業部 コンシューマサービス部長の亀井正浩氏は、IIJmioの2023年度の施策として、ギガプランのデータ量増量や、音声eSIMの提供開始、物理とeSIMの交換対応を実施。2024年3月には、ギガプランの大容量プランの提供を開始すると、20GB以上を申し込むユーザーが、同社の想定を上回る1.7倍に増加し、既存ユーザーのプラン変更を含め全体の約10%が20GB以上のプランを契約しているという。

 回線数の増加については、ファミリープランの追加SIMなど、ギガプラン導入前の旧プランの分も含まれている。

 また、複数回線を契約するユーザーについて、ギガプランの音声SIMユーザー4人に1人が複数回線で利用しているといい、6割以上がデータ容量を共有するデータシェアを利用していると指摘する。一方で、ギガプラン導入前にはあったファミリープランや追加SIMといったサービスや機能は、ギガプランでは用意されておらず、あくまでデータ容量をシェアしたりプレゼントするといった「データ容量を有効活用する」取り組みを行ってきたと話す。

 端末販売についても「好調」だとし、購入者数は累計50万人以上、2023年度は42メーカーの160種類の端末を取り扱った。全体の約8割が回線と端末をセットで申し込んでいる一方、多くが1台目の購入で、複数台の購入は全体の13%だという。

 今回の「ご愛顧特典」では、ギガプランの更なる魅力の訴求や、複数回線利用時のデータシェア以外の特典、端末の“2台目”購入の促進などが狙いとしてみられる。

■ 3つの施策

 具体的には、条件を満たした一部のユーザー向けに端末価格を割り引く「優待券」の配布や、ギガプランの複数回線契約で1回線あたり月額100円を割り引く「家族割引」、13カ月間以上ギガプランを契約するユーザーに、データ容量の進呈や手数料の割引/無償化特典を進呈する「長期利用特典」が実施される。

□次回端末購入時に使える「優待券」

 まずは、「IIJmioモバイルサービス」で端末を単体購入する際に利用できる「mio優待券」。ユーザーの契約状況などを鑑み、一部のユーザーに「IIJmioモバイルサービス」で機種購入時に利用できる優待券を進呈する。優待券を利用すると、対象機種が割り引かれて購入できる。

 優待券の配布条件や優待額は、機種やユーザーにより異なり、おおむね1000円単位での割引になるという。優待券を他者に譲渡することはできない。

 たとえば、6月21日から始まる施策では、直近に購入したスマートフォンが、OPPO、モトローラ、シャオミのいずれかのユーザーの一部に、「OPPO Reno11 A SUPERVOOC急速充電器SET」、「moto g64 5G」、「Redmi Note 13 Pro+ 5G」購入時に利用できる優待券が提供される。

 亀井氏は、優待券の配布の意義について「契約の継続や解約率の低下につながれば」とコメントする。

 なお、近年、年末に実施しているキャンペーンとは異なり「なるべく旬のものを2台目としてリストアップしている」としており、優待券には有効期限が設けられている。

□複数回線割引/家族割引

 同一mioIDでIIJmio「ギガプラン」の音声SIMまたは音声eSIMを2回線以上保有しているユーザーを対象に、月額料金を1回線あたり100円割り引かれる。

 6月3日まで実施されていた「家族割引キャンペーン」が定常の割引として設定されるもの。ご案内メールの受取設定などの条件がある。

 「月100円」の理由について亀井氏は「キャンペーンで同額(100円)の割引を実施し、それなりの効果と複数回線の追加が促せたと実感したため」と言及している。

 家族割引と銘打っているが、1ユーザーの複数端末利用でも割引対象となる。亀井氏は「たとえばmio優待券で端末を購入するきっかけで、子供の契約を複数回線で増やすようなことが浸透すれば、好評だったファミリープランのような使い方が増えるのではないか」としている。

□長期利用特典

 ギガプランを長期にわたって契約しているユーザーを対象に、データ量のプレゼント、各種手続き手数料の無償化など、「長期利用特典」が2024年冬に提供される。

 13カ月以上利用しているユーザーが対象で、「1GBデータ量プレゼント」が年3回~5回、「SIM交換・再発行手数料無料」が年1回、「初期費用割引」が年1回、1100円~3300円(全額分)進呈される。

 具体的には利用期間が13カ月~24カ月のユーザーは、「1GBデータ量プレゼント」が年3回、「SIM交換・再発行手数料無料」が年1回、「初期費用割引」が年1回1100円割引に、25カ月~36カ月のユーザーはそれぞれ年4回、年1回、年1回1650円割引、37カ月以上のユーザーは年5回、年1回、年1回全額(3300円)割引の特典が受け取れる。

■ 旧プランからの移行促進も狙いの一つ

 今回のご愛顧特典について亀井氏は「従来のプランにも長期特典のようなものがあったが、ギガプランの方が値段も安価で従来のデータシェアに相当する機能もギガプランにある。まだまだいるファミリープランや従来プランからの切り替えを促していきたいというのも(理由の)1つ」とコメント。

 特典の提供方法については、過去の利用実態を踏まえ「(オプションの提供よりも)クーポンをもらえる、追加するという優待の使われ方が非常に多かった」とし、今回の3つの特典提供になったと説明する。

■ メーカーによって残存率が変わる

 質疑の中で亀井氏は、今回あらためて分析した結果とし「端末ごと、メーカーごとによって、(プランの)残存率が変わっている」とコメント。たとえば、「1年目で離脱するユーザーが多い」ものや「2年目での離脱が多い」といったメーカー差があるとし、「mio優待券で次につながるように、使い続けてもらえるきっかけに」と、mio優待券の意義を説明した。

 なお、mio優待券第1弾となるモトローラ、OPPO、シャオミの3社については、具体的な言及は避けたものの、「そんなに著しく3社で差があるという感じではない」とコメントした。