![](/img/media/664e502c3057a.jpg)
あの動画でも示唆されていた、今後AirPodsに追加される「Siriにうなずく」新機能
ジェスチャーによる応答機能がAirPods Proに追加され、頭の動きでSiriに答えられるようになる。
アップルが以前に取得した特許に、頭の動きでイヤホンの操作を行うことが記載されていた。
ハンズフリー操作を目指すアップルの方針が示され、AirPods Proの新機能がその一部を実現している。
![あの動画でも示唆されていた、今後AirPodsに追加される「Siriにうなずく」新機能](/img/article/20240616/666e2c7bdb15c.jpg)
「はい」なら首を縦に「いいえ」なら首を横に振るだけでSiriの受け答えが完了。
WWDC24において、ジェスチャーによる応答機能がAirPods Proに追加されることが明らかになった。AirPods Proを使っている際、「はい」なら首を縦に「いいえ」なら首を横に振るだけでSiriに対して答えられるものだ。
2021年9月の特許に布石があった
頭を振るジェスチャーで応答できる機能というのは興味深いが、実は以前アップルが取得した特許の中に似たようなものが存在していた。それは特許番号US 2023/0074080の「VOICE CONTROL OF EAR DEVICES」だ。2021年9月9日に取得されている。
ただし、この特許においては、今回の機能とは異なり、イヤホンの音量制御を目的としている。現在のAirPods Proでは、スティック部を上にスワイプすることで音量を上げ下げできるが、これと同じことを頭を動かす動作で実現できる。
そのために、AirPodsのモーションセンサーで基準位置を計算。その後の移動で回転角を計算して、頭の動きを検出する。この特許においてはこの変化は音量変化のためのコマンドとなるが、Siriに対する応答にも応用できるわけだ。量ではなく、単純なイエスかノーの判別であれば、計算はさらにたやすいだろう。
このように目的は異なるが、共通するメリットもある。それはハンズフリー操作が実現できることだ。
ハンズフリーはアップルが目指すUIの到達点
この特許の背景として、アップルはワイヤレスのイヤーデバイスを使用する場合にユーザーの両手がふさがっていて、オーディオ機器の音量レベルを調整できないことがあるとしている。例えば、ユーザーが運動をしていたり、ほかの身体活動に従事している場合だ。
この連載では以前、アップルのセンシング・コネクティビティ担当副社長ロン・ファン氏とプロダクト・マーケティング担当ディレクターのエリック・トレスキー氏のインタビュー動画を紹介したことがある。
この動画では、iOS 17のリリースに伴うAirPodsの新機能について「イヤホンが生活の一部になることに対して"ハンズフリー"がキーとなる」とトレスキー氏が語り、「それに対しては音声認識のSiriがそのハンズフリーのキーとなる」とファン氏が続けていた。今回のAirPodsの新機能では、その一部が実現したわけだ。
このように、ハンズフリー操作はアップルの目指す、UIの到達点のひとつであることを再確認できた。
文● 佐々木喜洋 編集●ASCII