「医療データの流通基盤を整備」 グループ資産結集の新会社 NTTが7月に発足

AI要約

NTTは医療やヘルスケア事業のグループ資産を統合した新会社「NTTプレシジョンメディシン」を設立し、2028年に営業収益100億円を目指す。

NTTグループ内の検査や研究機関などを新会社に統合し、医療データの一元的な管理を推進することで、個人に最適な医療と予防策を提供する狙い。

NTTプレシジョンメディシンは、DXによる医療業務支援を行い、医療データの活用や医療文書の自動生成などの先進技術を開発・提供していく。

「医療データの流通基盤を整備」 グループ資産結集の新会社 NTTが7月に発足

 NTTは11日、医療やヘルスケア事業のグループ資産を結集した新会社「NTTプレシジョンメディシン」を7月1日に発足すると発表した。2028年に営業収益100億円を目指す。

 NTTグループではこれまで、NTTライフサイエンスが検査サービス、NTTデバイステクノが電子カルテ事業、新医療リアルワールドデータ研究機構(PRiME-R)が研究開発支援、クリニカルサポートが治験業務効率化、関連事業に取り組んできた。これらの会社や事業を新会社に集約し、メディカルデータの生成から活用までを一元的に推進できる体制を整えるのが狙い。

 新社名のプレシジョンメディシンは、個人にパーソナライズされた最適な予防や医療を提供する医療の概念を意味する。病院などとの連携を通じて医療データを生成・収集し、製薬企業や研究機関と連携した研究開発に取り組むほか、個人の体質に合った最適な予防医療の提供を目指す。

 具体的には、医療業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向け、NTT独自のLLM「tsuzumi(ツヅミ)」などを活用して医薬品の開発支援や先進技術の研究推進を支援する。まずは、医療機関に蓄積されたテキストや映像などの非構造化データを、生成AIが学習できるよう構造化し、データ活用による医療支援につなげる。将来的には医師に代わって医療文書を自動生成する仕組みなどを構築する。

 NTTが100%出資し、資本金は19億6500万円。設立当初の社員は約40人。社長に就任する是川幸士氏は「NTTが持つインフラや運用ノウハウといった強みを生かし、次世代の予防や治療法の研究開発を支援するため、日本の医療機関のメディカルデータ流通基盤を整備したい」と意気込んでいる。