SixTONES 松村北斗主演で新海誠『秒速5センチメートル』実写映画化 監督は奥山由之

AI要約

新海誠のアニメーション映画『秒速5センチメートル』が松村北斗主演で実写映画化されることが決定した。

劇場アニメーション『秒速5センチメートル』の物語やキャスト、スタッフについて詳細が紹介された。

実写映画化作品は、2025年秋に公開予定であり、注目が集まっている。

SixTONES 松村北斗主演で新海誠『秒速5センチメートル』実写映画化 監督は奥山由之

 新海誠のアニメーション映画『秒速5センチメートル』が松村北斗主演で実写映画化されることが決定した。

 『君の名は。』(興行収入250.3億円)、『天気の子』(興行収入141.9億円)、『すずめの戸締まり』(興行収入149.4億円)と、大ヒット作を生み出してきたアニメーション監督・新海。劇場アニメーション『秒速5センチメートル』は、『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』に続く、新海にとって3作目の商業公開作品にあたり、2007年に公開された。これまで新海のアニメーションの実写映像化作品が公開されたことはなく、本作は新海の初実写化公開作品となる。

 物語の主人公は遠野貴樹。小学生の頃に出会った転校生・篠原明里と心を通わせた瑞々しい日々、小学校の卒業と同時に離ればなれになり種子島で過ごした高校生活、東京でシステムエンジニアとして働きながら漠然とした閉塞感と焦燥感をかかえ過ごす30才を手前にした青年期の、18年間にわたる人生の旅を描く。原作アニメーションは主人公の小中学生時代、高校生時代、会社員時代を3つの短編の連作形式で描いた全63分の作品だが、実写映画は原作者・新海との意見交換なども経てつくられた脚本をもとに、約2時間の長編映画として制作される。

 主演を務めるのは、興行収入149億円を超える大ヒットを記録した新海監督の『すずめの戸締まり』では、オーディションで宗像草太役に選ばれたSixTONESの松村。新海は松村が主演を務めることについて、「最も信頼する俳優である松村北斗くんに主演をつとめてもらえることにも、人生の不思議さを感じます」と語っている。松村は、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』をはじめ、岩井俊二監督の『キリエのうた』、三宅唱監督の『夜明けのすべて』などに出演。2025年2月には脚本・坂元裕二、監督・塚原あゆ子の『1ST KISS ファーストキス』の公開が控えている。本作はそんな松村にとって、初単独主演映画となる。

 監督を務めるのは、「ポカリスエット」のCMや米津玄師「感電」、星野源「創造」などのミュージックビデオを監督し、オムニバス長編映画『アット・ザ・ベンチ』の公開を控える奥山由之。現在33歳の奥山監督は、新海が33歳のころ『秒速5センチメートル』を制作していたことに、「ただの数字とはいえ、大切な巡り合わせを感じております」とし、「今しか作れないもの」にしたい、自らの中に残る「センチメンタル」をこの作品に全て置いていくつもりであるとの意気込みを語っている。なお、奥山にとって本作は、初の大型長編映画監督作となる。原作者の新海は、「今の自分には決して作れないでしょうし、再現も出来ません」とした上で、「奥山監督をはじめとした若く熱心なチームがふたたび『秒速5センチメートル』に向き合ってくれていることに、私はとても興奮しています」「誰よりも完成を心待ちに、応援しています」とコメントを寄せている。

 脚本を手がけるのは、森ガキ侑大監督の『愛に乱暴』、西川達郎監督の『BISHU~世界でいちばん優しい服~』などの脚本を務めてきた鈴木。「どの地点でこの作品と出会ったかによって違う切実さを感じる深遠な原作を前に、喜びと緊張を持って向き合わせていただきました」とコメントを寄せている。

 なお本作は、2025年秋に公開される予定だ。

【コメント】

●新海誠(原作)

私が二十年近く前に監督したアニメーション映画『秒速5センチメートル』は、とても未熟で未完成な作品でした。

しかしその未完成さ故に、今でも長く愛し続けてもらえている作品でもあります。

初期衝動──未知への憧れと畏れだけをただぶつけたあのような映画は、今の自分には決して作れないでしょうし、再現も出来ません。

ですから、奥山監督をはじめとした若く熱心なチームがふたたび『秒速5センチメートル』に向き合ってくれていることに、私はとても興奮しています。

最も信頼する俳優である松村北斗くんに主演をつとめてもらえることにも、人生の不思議さを感じます。

どうか、皆さんの今でしか作れない映画にしてください。

誰よりも完成を心待ちに、応援しています。

●松村北斗(主演/遠野貴樹役)

僕自身、何度も見返してきた作品だからこそ、重責を日々感じています。

この原作はたくさんの方の人生に深い影響を与えてきました。ファンの皆さんはそれぞれの解釈と世界を持っていて、僕もその一人です。そんな作品の実写化に未熟な僕が参加するのかと一歩踏み出せないでいました。しかし、奥山監督をはじめとする製作陣の原作への憧れと愛。そして、新海さんから言っていただいた「北斗くんで見たいですね。」というお言葉がこのチームで挑戦する理由をくれました。

『秒速5センチメートル』に影響を受けて憧れてきた者が集まったチームで作る今回の作品。原作チーム、ファンの方への敬意を胸に挑ませていただきます。

●奥山由之(監督)

新海誠さんが当時33歳の時に紡ぎ上げていた物語を、いま33歳の僕が撮らせて頂くことに、ただの数字とはいえ、大切な巡り合わせを感じております。今しか作れないものがあるということ、いずれは忘れてしまう眼差しがあるということに気付かされながら『秒速5センチメートル』と向き合っている日々です。

どことない喪失感、焦燥感を抱える貴樹の背中に、温もりある手を添えるようにして、心から信頼するチームの皆さんと共に、1シーン1シーン、1秒1秒を丁寧に、切実さと誠実さをもって、真摯に撮り重ねたいと思います。

僕の中に残る「センチメンタル」をこの作品に全て置いていきますので、どうかご期待ください。

●鈴木史子(脚本)

新海誠監督の『秒速5センチメートル』を初めて観たのは20代の頃でした。チームの中には中学生や高校生で観たという方も多く、どの地点でこの作品と出会ったかによって違う切実さを感じる深遠な原作を前に、喜びと緊張を持って向き合わせていただきました。

人と人が近づいたり離れたりする巡り合わせのことを。とても真摯な奥山監督や信頼するスタッフ、誠実なキャストの皆さんとたくさんの対話を重ね、その時間のすべてを脚本に込めました。多くの方々の"今"に届くことを願っております。

●玉井宏昌(プロデューサー)

世界中で愛されている不朽の名作を実写化するという無謀な挑戦を受け入れてくださったばかりでなく、言葉を尽くしてのご助言をはじめ本プロジェクトを支えてくださっている新海誠様・コミックス・ウェーブ・フィルムの皆様に感謝申し上げます。映像監督・写真家としてフロントランナーである奥山由之監督、松村北斗さんと共演者の皆様、脚本、映像、音、デザイン、それぞれの専門領域において並外れた才能と技術、そして研ぎ澄まされた感性と美意識を持った方々が集結しています。公開までの続報も楽しみにしていただけたら幸いです。