THE ALFEE50周年を支える「復帰組」女性ファン 子育て終えて参戦「元気な3人にありがとう」

AI要約

THE ALFEEのデビュー50周年コンサートが開催された。ファンの中には長期間ファン活動を休止した人も。コンサートを通じて再び繋がるファンたちの物語。

コンサート初日は快晴の中、ファンが会場に集まる。懐かしい思い出や家族の支えを胸に、ファンたちはステージを楽しむ。

数々の困難を乗り越え、再びファンとしてコンサートに駆けつける人々。家族や自らの選択に向き合い、50周年の喜びを分かち合う。

THE ALFEE50周年を支える「復帰組」女性ファン 子育て終えて参戦「元気な3人にありがとう」

 THE ALFEEのデビュー50周年コンサート「50年目の夏祭り」が8月17、18の両日、横浜市西区のKアリーナ横浜で開催された。節目の年の夏のイベントに集まった女性ファンの中には、子育てなどのために長期間ファン活動を「お休み」した後、再び足を運ぶようになった人も。それぞれの事情とブランクを越えたファンの視線の先には、ステージの上で50年間、歌い続けた3人がいた。

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 台風7号の進路が直前まで心配されていたが、コンサート初日の17日は台風一過の快晴に。強い日差しで、会場のある横浜市は猛暑日となった。

 コンサート会場の開場は午後4時30分だったにもかかわらず、Kアリーナの周辺には午前中から多くの人の姿が。「クールシェアスポット」として開放されていた近隣のオフィスビルは、50周年のTシャツなどを着たファンの集いの場となっていた。

 そのなかでひときわ目立っていたのが、鮮やかな水色の浴衣にねじり鉢巻き、真っ赤な口紅に真っ赤なネイルの女性だ。

「毎回衣装を考えていて、いつも打倒・高見沢!」

 と笑ったのは、45歳の女性ファン。高見沢俊彦のステージ衣装に負けないように、そしてステージから見つけてもらえるようにと、チケットを手に入れたときから服装を考えてきたという。

 中学3年からのファンだが、専門学校への進学を機に富山県から上京する際、「アルフィーに熱中するために東京に行かせるわけではない」と父親から釘を差され、ファンを辞めるように言われた。その後、22歳で結婚して出産、子育てをするなかで、ファン活動を「封印」してきた。

 しかし、子育ても落ち着いた数年前、クリスマスに東京・代々木体育館であったコンサートに「行かせてください」と夫に頼み、ファンとして「復活」したという。

 現在は心身の調子を崩し、外出や食事を制限している日々だが、この夏のイベントだけは特別だ。

「奇跡の50周年ですからねー! 中学生のときに聴いていたときとは心情も違っていて、いまはもう高見沢さんに恋してる! 一晩、貸して!」

 ファンをお休みして育てあげた長男が、ノリノリの母をコンサート会場の入り口まで送っていった。

 

■夫がチケットをビリビリに!?

 職場の同僚だという53歳の女性2人組も、それぞれ一時期、ファンを離れていたという。

「中学2年生のころから20歳まではファンで、結婚してからはチケット代などを捻出できず、45歳までお休みしていました」

 と話した女性の同僚も、

「私も20年近くファンを離れていた。夫が『アルフィーなんて絶対にダメだ』と……」

 と振り返る。

 やきもち焼きの夫は、ほかの誰かにキャーキャー言うのを嫌がった。息子が中学生になったのをきっかけに「1回だけでいいので、コンサートに行かせてください」と頼み込み、チケットを買った。しかし、コンサートの日が近づくと、「チケットはどこだ」と夫から言われ、「会社に置いてある」とチケットを隠していた。以前に購入したチケットを破かれたことがあったのだ。

 そんな「チケット騒動」もあった夫は、3年前に他界した。

「夫が亡くなって寂しいけど、自由。お父さん、ごめんね。コンサートに来てます。自分で働いたお金でコンサートに来られて、今はやりたい放題。ファンに出戻りできてよかった」

 

■お腹の中でTHE ALFEEの夏イベント

 THE ALFEEの夏のイベントに初めて参加したのは「妊娠8カ月のお母さんのお腹の中だった」と言う24歳の女性は、53歳の母とそろって50周年のTシャツを着て、会場を訪れた。

 母がTHE ALFEEを知ったのは中学2年生のとき。2つ年上の兄のノートに「好きな曲」リストが書いてあり、それをこっそり見たのがきっかけだった。3番目に書かれていたのが、THE ALFEEの『無言劇』だった。

 そのときは「こんな曲が好きなんだ」としか思わなかったが、音楽番組「ザ・ベストテン」の「スポットライト」に登場したTHE ALFEEを見て、ファンになった。兄のリストにあった『無言劇』にもハマった。さらに高校生になって初めて同じようにファンの同級生に出会え、ますますのめり込んでいったという。