ZARDの名曲とその”薫り”を令和につなぐSARD UNDERGROUND 結成5年で急成長、オリジナル曲タイアップで大飛躍

AI要約

ガールズバンド「SARD UNDERGROUND」が5周年を迎え、新曲シングルとアルバムを同時リリース。ZARDのトリビュートバンドとして結成され、活動を続ける3人のメンバーにインタビュー。

新シングル「夢で逢いましょう」はアニメ「名探偵コナン」のエンディングテーマに起用され、話題を集めている。アルバム「涙色で」ではメンバーそれぞれが曲作りに参加し、成長を感じさせる作品に仕上がっている。

SARDはZARDの名曲カバーから始まり、オリジナル曲も好評を得るようになっている。新時代のガールズバンドとしての存在感を高めつつ、ZARDの精神を受け継ぐ使命を果たしている。

ZARDの名曲とその”薫り”を令和につなぐSARD UNDERGROUND 結成5年で急成長、オリジナル曲タイアップで大飛躍

 デビュー5周年を迎えるガールズバンド「SARD UNDERGROUND」が21日に7枚目シングル「夢で逢いましょう」と2枚目アルバム「涙色で」を同時リリースする。坂井泉水さん(2007年死去)を中心とした音楽ユニット「ZARD」のトリビュートバンドとして結成され、自作曲も続々と大型タイアップが決まるなど5年間で目まぐるしく成長。9月から始まる初全国ツアーも全公演が完売しており、大飛躍の予感を漂わせる旬なメンバー3人に話を聞いた。

 「負けないで」「揺れる想い」など1990年代にミリオンセールスを連発したZARDの音楽性を令和に伝承するバンドとして19年に誕生。ZARDの「Z」を反転させた「SARD」として19年に始動した。体調不良によりギタリストが脱退し、現在はボーカルの神野友亜(23)、ベースの杉岡泉美(24)、キーボードの坂本ひろ美(28)の3人で活動している。

 神野「最初は不安の方が大きくて、届けるのも結構プレッシャーで押しつぶされそうになりました。今はこうやって正式にステージの上でZARDさんの曲を歌わせていただけるっていう環境に感謝して、自信を持って、歌えるようになってきました」

 今回発売するシングル「夢で逢いましょう」は日本テレビ系の人気アニメ「名探偵コナン」(土曜午後6時)の新エンディングテーマとして書き下ろし、17日放送回で初公開された。コナンといえば、劇場版の最新作「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」が興収150億円超えとなり、邦画史上10本目の快挙を達成したばかり。コナンブームがSARDにとっても追い風になりそうだ。

 神野「(シングルの)『名探偵コナン盤』ジャケットに起用した場面のように、蘭がもうろうとする意識の中で新一を思い浮かべるようなレアな時間を表現したくて『夢で逢いましょう』っていうタイトルにしました」

 同曲も収録したアルバム「涙色で」は、神野が全11曲中10曲の作詞を手掛け、杉岡と坂本は一部コーラスにも参加している。

 杉岡「特に好きなのが『フタリシズカ』っていう曲。『二度とない人生だから』というフレーズが歌詞に入ってて、今を大切に生きないとなって思います」

 坂本「私が一番好きな曲が『星の光』っていうんですけど、これは5周年ソングとして友亜ちゃんが書いた曲で、本当に刺さる言葉がたくさんあってファンの方にもたくさん聴いてほしいと思います」

 デビュー当時はZARDの名曲カバーや坂井さんの未公開詞によるオリジナル曲を発表するなどトリビュートバンドとしての色合いがより強かったが、近年では90年代のサウンドや雰囲気をまとった自作のオリジナル曲が好評を博している。

 神野「ZARDさんのファンだった方が今、SARDも一緒に応援してくださってる。もちろんうれしいですけど、それじゃあZARDさんのトリビュートをやってる意味がないので、ZARDさんを知らない世代の方にオリジナルから私たちを好きになってもらって、逆に私たちがZARDさんの曲をライブで広められるぐらい大きくなりたいと思っています」

 SARDの使命は、ZARDの名曲とともに、その”薫り”を令和につなぐことだ。

 神野「90年代の曲は聴いていて私たちもすごく心地がいいし、つい求めてしまう。あの時代がもう1回来ると信じて『時代を引き戻す!』。3人でいつも話してることです。K―POPとかはやってるけど、絶対、私たちのサウンドも今の世代の人にハマる人はハマると思うので」

 YouTubeチャンネルの登録者は10万を超え、目に見える形でファンを増やしている。9月7日の福岡トヨタホール スカラエスパシオを皮切りに、仙台、東京、名古屋、大阪で開催する初の全国ツアーもチケットは完売した。

 杉岡「個人的には名古屋でみそ煮込みうどんを食べたい。あと公演が友亜ちゃんの誕生日に仙台でライブができるので、お祝いできれば」

 神野「ケーキより牛タンが出てきた方がうれしいな(笑)」

 目標は日本武道館公演。ZARD魂を胸に、令和のガールズバンドが新時代を築き上げる。

 今年5月27日に坂井さんは17回目の命日を迎えた。それぞれにとって、改めて坂井さんはどんな存在なのか聞いた。