脅かすのが目的じゃない…主人公たちを影で支える「かわいい幽霊キャラ」たち

AI要約

夏は怪談の季節で、幽霊は怪談作品に欠かせない存在。幽霊は様々な作品で登場し、そのジャンルもホラーだけでない。

かわいい幽霊キャラは主人公たちを支える存在として登場し、作品のジャンルを問わず活躍する。日本人に親しみのある存在でキャラとして使いやすい。

おキヌちゃんは『GS美神 極楽大作戦!!』のかわいい幽霊キャラ。人柱になった300年前の幽霊で、幽霊としての仕事ぶりは頼もしく、最終的には生き返るという展開もある。

脅かすのが目的じゃない…主人公たちを影で支える「かわいい幽霊キャラ」たち

 夏は怪談の季節。テレビで特集が組まれたりホラー映画が公開されたりと、この時期は「怖い話」に触れる機会も多い。そして、そんな怪談に欠かせない存在といえば、やはり幽霊だろう。

 幽霊が出てくる作品はアニメや漫画、映画と幅広く、そのジャンルもホラー系とは限らない。日本人にとってなじみがある存在なので、キャラとして起用しやすいというのもあるのだろう。しかも幽霊という不可思議な存在のため、作品のジャンルを問わず特殊な能力を使用していても違和感がない。

 そんな幽霊キャラは目的によって仲間にも敵にもなる。今回はその中から、怖い幽霊ではなく、主人公たちを影で支えてくれる「かわいい幽霊キャラ」を紹介していきたい。

 まずは椎名高志氏による『GS美神 極楽大作戦!!』(小学館)のおキヌちゃんから紹介していこう。

 おキヌちゃんは、かわいい幽霊キャラの走りといっても良い存在でもある。純粋無垢な美少女キャラで、長い青色の髪と巫女装束が特徴だ。見た目は普通の人間と変わらず、霊感の無い人間にも視認できて会話までできる、ちょっとおかしな幽霊である。

 彼女が幽霊になったきっかけは、300年前に山の噴火を鎮めるために人柱になったからだ。紆余曲折のすえ美神たちによって地縛から解放されてからは、日給30円(!)で雇われて、家事全般をきっちりとこなすメイド幽霊のようになってしまった。ちなみに幽霊としてのキャリアが長いせいか、他の幽霊からの信頼も厚い。幽霊にも年功序列のような関係があるのだろうか?

 何よりも驚いたのが、最終的には生き返ってしまう展開だ。彼女は反魂の術によって生き返ると、「氷室キヌ」として生活をすることになった。肉体が存在しない幽霊キャラが成仏するのではなく、生き返るのはあまり見たことがない設定でもある。

 その後も変わらず美神除霊事務所で住み込みの助手として働きながら、高校へ進学して楽しそうに毎日を送っている。そんなおキヌちゃんの幸せそうな姿は、不遇な死を遂げただけに見ていて嬉しいものだった。