「女の子にしか見えない…」激やせ役作りが話題の23歳俳優。凄いのは“見た目”だけじゃなかった

AI要約

映画『ブルーピリオド』で高橋文哉が新たな一面を開花させる。

高橋文哉が演じる鮎川龍二(ユカちゃん)の奮闘や葛藤が描かれる。

高橋の演技力と徹底した役作りが観客を引き込む。

「女の子にしか見えない…」激やせ役作りが話題の23歳俳優。凄いのは“見た目”だけじゃなかった

この夏、俳優・高橋文哉(23)が新境地を開きました。その姿は、8月9日より全国公開される映画『ブルーピリオド』(配給:ワーナー・ブラザース映画)で、拝むことができます。ひと足先に高橋の新たな一面に触れた筆者が、その魅力についてご紹介します。

※この記事には、映画『ブルーピリオド』予告編の範囲をこえるネタバレは含みません。

映画『ブルーピリオド』の原作は、山口つばさ氏による同名漫画。「TSUTAYAコミック大賞」「このマンガがすごい!」など国内の主要漫画賞へのノミネートや「マンガ大賞2020」受賞に加えて海外でも絶賛されており、累計発行部数は700万部を超える大人気作品です。

空っぽだった主人公の高校生・八虎(やとら/眞栄田郷敦)が、1枚の絵をきっかけに美術の世界に惹きこまれ、国内最難関の東京藝術大学を目指して奮闘する物語。

高橋が演じているのは、八虎の同級生で女性的な容姿をもつユカちゃんこと鮎川龍二です。ユカちゃんは自分の“好き”について葛藤しながら、日本画で藝大を目指しています。初登場のシーンでは「この女の子、誰?」と、分からないほどに高橋は“ユカちゃん”としてスクリーンのなかに存在していました。

「僕がやれる事やるべき事やりたい事をユカちゃんや八虎のようにこの作品に詰め込んでおります」(映画『ブルーピリオド』公式サイトより)とコメントした高橋。その意気込み通り、8kgの減量と脱毛をして撮影に挑んだといいます。さらに同映画のパンフレットによると、見た目だけではなく、日常生活でもヒールを履いて内股で過ごしてみたり、ユカちゃんの香りっぽい香水を身につけたり、ネイルを施してみたり、研究に勤しんだとか。

実際、高橋のユカちゃんとしての見た目に驚いたのは登場時だけ。その佇まいを含めた外見的な違和感がまったくなかったからこそ、観客は素直にユカちゃんの台詞や心情に寄り添うことができるのです。

自分の“好き”に正直で、自由に生きているかのように見えるユカちゃんですが、家族や世間から求められる龍二とのギャップに悩んでいることが徐々に見えてきます。八虎と対峙していくなかで、心の内を少しずつ繊細にあらわにしていく表現はユカちゃんの内面を徹底的に掘り下げた高橋だからできたこと。明るくチャーミングな笑顔のユカちゃんが、八虎に弱さをのぞかせる場面は特に秀逸でした。