杉良太郎がベトナムの健康の架け橋になる 世界遺産ホイアン旧市街で観光名所・日本橋の修復記念式典に出席

AI要約

元日本ベトナム特別大使で歌手・俳優の杉良太郎がベトナムを訪問し、交流活動や肝炎検査の支援を行った。

ホイアンからハノイまで移動し、日本橋の修復記念式典に出席。8年ぶり3度目のホイアン訪問で歴史的建造物に感動。

厚労省の「知って、肝炎プロジェクト」を実施し、ベトナムで初めて肝炎検査が行われた結果、糖質の取りすぎなど生活改善の提案が行われた。

杉良太郎がベトナムの健康の架け橋になる 世界遺産ホイアン旧市街で観光名所・日本橋の修復記念式典に出席

【ハノイ(ベトナム)6日=山内倫貴】元日本ベトナム特別大使の歌手で俳優、杉良太郎(79)が3日から同国を訪問。26年にわたり交流する世界遺産のホイアン旧市街で行われた観光名所、日本橋の修復記念式典に出席した。同国では健康増進事業も展開しており、ハノイではトー・ラム国家主席らと会談。現地で初めて実施した肝炎ウイルス検査の結果を報告するなど文化、医療支援に尽力した。

中部の古都ホイアンから北部のハノイまで約770キロを空路で移動した杉。強烈な日差しと多湿で最高気温が34度に達する中、「シャワーを浴びるように汗が流れる」と言いつつ、スーツ姿で奔走。友好関係構築に貢献した。

国際貿易で栄え、黄色の外壁が美しいホイアンの旧市街にある日本橋は瓦屋根などが特徴。16世紀末に日本の商人が架けたといわれる。橋脚などの補修が約1年半行われ、杉は在ベトナム日本大使館の伊藤直樹特命全権大使らと招待を受けて式典に出席した。

杉は1989年、ベトナム戦争の兵士遺族のため同国で開催したチャリティー公演から本格的に交流を始め、ホイアンは8年ぶり3度目の訪問。あいさつでは「歴史的建造物に心を打たれた」と日本橋の印象を語った。

初訪問は98年で、これまで展示施設、日本文化展示の家にみこしなどを贈り、ホイアン市には医療対策の救急車1台を寄贈。今回は旧市街をシクロ(人力車)で移動。「ゆったりと風を受けながら進むのが情緒」と癒やされていた。

一方、厚労省では肝炎対策の「知って、肝炎プロジェクト」を推進。杉の滞在中、「知って-」の医療関係者がベトナムで初めて肝炎検査を無料で実施した。山間部で生活する約280人が受診。約39%にあたる109人が肝臓がんに進行する可能性がある脂肪肝と診断された。

杉は「日本の検査データと比較すると割合が高い」と指摘。ハノイでトー・ラム国家主席らに結果を報告し、糖質の取りすぎなど生活習慣の改善を提案した。検査人数は予定の200人を超え、「健康への関心が高い証拠」ととらえた。

本紙などの取材に応じた杉は「ベトナムで検査を続けるには地方の省からもつなげていきたい」と草の根レベルでの展開を想定。14日に80歳の誕生日を迎える自身は週2回のジム通いで健康を維持。国際貢献活動については「自分の国だけでよければよいという考えでは、国際化が進む世界で肩身の狭い思いをする」と強調した。