「虎に翼」男性登場人物が抱える葛藤は

AI要約

NHK連続テレビ小説「虎に翼」は、ジェンダーに向けた社会のまなざしについて考えさせてくれる。

男性登場人物の描かれ方について、性的少数者の情報を発信する一般社団法人「fair」代表理事の松岡宗嗣(そうし)さんに聞いた。

花岡は、現代にも通じるような男性像で、男女平等に賛成しているが、個人として向き合ったときに女性を対等に捉えていない。

「虎に翼」男性登場人物が抱える葛藤は

 NHK連続テレビ小説「虎に翼」は、ジェンダーに向けた社会のまなざしについて考えさせてくれる。つらさを抱えているのは、日本初の女性弁護士となった寅子(ともこ)をはじめとする女性たちだけではない。男性登場人物の描かれ方について、性的少数者の情報を発信する一般社団法人「fair」代表理事の松岡宗嗣(そうし)さんに聞いた。(有田哲文)

 花岡は、現代にも通じるような男性像だ。お題目としては男女平等に賛成しているが、個人として向き合ったときに女性を対等に捉えていない。大学のクラスメートである寅子に「君たちはどこまで特別扱いを望むんだ」と言ってしまう場面によく表れている。男性である自分の地位を脅かされない範囲で、立場を認めてやる。そんな気持ちがにじんでいるように思う。

 花岡にも葛藤やつらさはある。男性らしさが求められる既存の秩序の中で、競争を勝ち上がらなければならない。父の後を継いで法律家になり、父の面倒をみてくれるような「良き妻」を求める。裁判官としてヤミ市の食糧を拒否して餓死したのも、世の中のルールに沿って生きなければという考えからだ。それは「男性らしさ」の構造とどこか繫(つな)がっているのではないか。