終戦特番「メディアとしてやり続けること大事」と関口宏氏 NHKは広島赤十字病院を再現

AI要約

終戦関連の番組を制作したテレビ各局の出演者や製作スタッフが戦争報道の意義を語っている。

TBSでは科学技術の発展と戦争との関係を考える特別番組を公開収録し、放送予定だ。

NHKでは原爆投下直後の広島の状況を病院長の手記から描くドキュメント番組を放送する。

終戦特番「メディアとしてやり続けること大事」と関口宏氏 NHKは広島赤十字病院を再現

戦後79年となる8月15日を前に、終戦関連の番組を制作したテレビ各局の出演者や製作スタッフらが相次いで取材に応じ、戦争報道を続ける意義を語った。原爆投下直後、被爆者を受け入れた病院関係者の手記を新たに発見したり、ロシアの侵攻を受けるウクライナの現状を取材したりするなど、戦争体験者が少なくなる中で、視聴者に身近に感じてもらうための試行錯誤が伺える。

■TBSは公開収録

TBSは4日、東京・赤坂の本社スタジオで終戦特番の公開収録を行った。科学技術の発展と戦争との関係を考える「つなぐ、つながるSP 科学が変えた戦争1945→2024」を11日午後3時から放送予定だ。タレントの関口宏氏と、フリーアナウンサーの膳場貴子氏という「サンデーモーニング」の新旧メインキャスターが出演する。

収録では、核兵器など科学技術の発展が多くの犠牲者を生んだ側面がある歴史のほか、ロシアの侵攻を受けたウクライナで民生用ドローンが攻撃に使われている現状などを映像で紹介した。

番組では2人を中心に意見を交わし、膳場氏は「科学技術を何に使うのか、意思決定のプロセスが大事だ。意思決定者のジェンダーバランスが変われば、暴力を回避できるかもしれない」と私見を述べた。

収録後、関口氏は自身の幼少期について「近所の人や親戚にも夫や息子を亡くした人が多くて、いろいろな話を聞いた。やっぱり説得力が違ったよ」と振り返った。その上で「今も戦争が起きていて切実感がある。昔の戦争を知っている方も少なくなったので難しさはあるが、メディアとしてはやり続けることが大事だと思う」と語った。

■ドラマ的表現で伝える

NHKは原爆投下直後の広島の状況を病院長の手記から描く「原爆〝いのちの塔〟~ドキュメント広島赤十字病院」を6日午後10時から放送する。

制作を指揮した広島放送局の松木秀文チーフプロデューサーは「公共メディアとして戦争は大切なテーマだ。今の時代にどう届けるか、今回はドラマ的な手法も取り入れ、新しい挑戦をした」と振り返った。

爆心地近くにあった広島赤十字病院には、原爆投下直後から多くの負傷者が押し寄せた。対応に当たった当時の竹内釼(けん)院長の手記が残されていることが判明。さらに、別の病院に病床日誌が保管されていたことも分かり、2つの資料を軸に制作した。