大泉洋と宮藤官九郎さんが強力タッグ テレ朝65周年記念ドラマ、山田太一さん原作『終りに見た街』 9月放送

AI要約

俳優の大泉洋がテレビ朝日開局65周年記念ドラマ「終りに見た街」で主演することが決定し、脚本家の山田太一さんの小説が原作で約20年ぶり3度目のドラマ化となる。

物語は戦時下にタイムスリップする家族の姿を描き、主人公は令和の時代から昭和19年にタイムスリップし、困難な状況を乗り越えようとする。

宮藤官九郎が新たに脚本を手掛け、戦争をテーマにしながらも笑いも盛り込んだ作品である。主演の大泉洋と宮藤官九郎の初タッグが注目を集めている。

大泉洋と宮藤官九郎さんが強力タッグ テレ朝65周年記念ドラマ、山田太一さん原作『終りに見た街』 9月放送

 俳優の大泉洋(51)が9月放送のテレビ朝日開局65周年記念ドラマ「終りに見た街」で主演することが29日、分かった。昨年亡くなった脚本家の山田太一さんの小説が原作で約20年ぶり3度目のドラマ化。宮藤官九郎さんが新たに”令和版”の脚本を担当する。同局ドラマ初主演の大泉は”ラブコール”がかない宮藤作品に初出演を果たす。

 戦時下にタイムスリップする家族の姿を描く異色のホームドラマで、同局では1982年に細川俊之さんの主演で、2005年には中井貴一(62)の主演でドラマ化。衝撃のラストも反響を呼んだ。

 大泉が演じる主人公・田宮太一は、令和の時代に何不自由なく暮らすテレビ脚本家。ある日突然、家族と一緒に太平洋戦争まっただ中の昭和19年6月にタイムスリップ。携帯電話も通じず食料も入手困難な世界で現実を目の当たりにしながら生き抜こうとする。

 大泉は昨年公開の映画「こんにちは、母さん」で宮藤さんと共演。撮影現場で「宮藤さんの作品、呼んでくださいよ~」と懇願し、実現に至り「単純にうれしかった」とコメント。宮藤さんが大泉に当て書きしたという主人公について「役に立たないお父さんなんですよね。自分と役を重ね合わせた時に僕ほど役に立たない人はいないから、やっぱり僕も家族からボコボコに言われるだろうなと思って怖かったですね。大学時代にアルバイトすらうまくいかなかった男ですから」と苦笑いした。

 戦争をテーマにしながら、宮藤さんらしい笑いも脚本には果敢に盛り込まれた。大泉は「いわゆるつらい戦争の歴史を振り返る再現ドラマではなく、現代人がその時代にタイムスリップした時にどうなっていくのかという作品。見やすいドラマだと思います。何かしら”戦争”について考えるきっかけになる」と語った。

 一方の宮藤さんは初タッグを組む大泉について「絶妙にネガティブ。そこが大泉さんと、山田先生と、僕の共通点だと思います」と指摘。「物を考える人、創る人の顔をしているなぁと以前から思っていたので脚本家の役はピッタリ」と太鼓判を押した。

 同じ脚本家として山田さんを尊敬し、ファンを公言する宮藤さん。「山田先生の原作の力をお借りして、また新たな作風を手に入れたんじゃないかと手応えを感じています。いつもと違います」と意気込みをアピール。「戦争経験の有無が僕と山田先生の大きな違い。それを逆手に取って実感を伴わない主人公の”反戦”が、この苛烈な物語を通じて実感を帯びてゆく。彼らに感情を乗せることで戦争の愚かさを感じることができる」と令和版ならではの見どころを語った。