祝「モンスターハンター」シリーズ20周年! システムから読み解く狩猟の歴史とその本質

AI要約

「モンスターハンター」シリーズの進化を解説。

モンスターとの対峙を通じたハンティングアクションの魅力。

新作『モンスターハンターワイルズ』の期待とシリーズの成長。

祝「モンスターハンター」シリーズ20周年! システムから読み解く狩猟の歴史とその本質

〈大人気ゲーム「モンスターハンター」シリーズは〈驚きの進化〉を遂げていた──。大型モンスターの迫力あふれるCGアートとともに、『モンスターハンター超百科』を手がけたテレビマガジン編集部が人気の背景を解説〉

累計1億本を売り上げた(’24年3月時点)「モンスターハンター」シリーズ。ハンティングアクションというジャンルを切り拓いた本作は、今日では世界中から愛されるタイトルとなっている。’25年には待望の新作『モンスターハンターワイルズ』の発売も発表されており、注目が集まる今、その変遷を、主にゲームシステムの面から辿ってみよう。

’04年に発売された1作目『モンスターハンター』。現在まで続くハンティングアクションとしての根幹がすでに確立されていたことも驚嘆に値するが、本作には特筆すべき点が存在する。

それは、「大型モンスターとの対峙」が徹底的に主眼に置かれているという点。

時代やジャンルを問わず、ゲームにおいては「道中に押し寄せる敵の群れを倒し、最後に控えるボスを撃破する」という流れが定番である。しかし『モンスターハンター』は、「小型モンスターこそ登場するものの、必ずしもこれを討伐せずとも大型モンスターに挑むことが可能」という点で画期的であった。

これにより、リオレウスをはじめとした強大な大型モンスターとの攻防にじっくり向き合えることになり、骨太なアクションを堪能しつつ、モンスターの魅力を肌で感じることができたのである。

翌’05年には、後の定番となる高難度のクエスト「G級」や、通常種とは見た目や行動が異なる「亜種モンスター」を追加した『モンスターハンターG』をリリース。’06年にリリースされた『モンスターハンター2(ドス)』では、神秘的かつ驚異的な力を持つ「古龍種」、太刀をはじめとした新武器種の追加などが行われた。

このように、シリーズの新作が登場するたびに新たなシステムが追加され、世界観を深めつつ、プレイの幅が広がりを見せる。とりわけ、『モンスターハンター3(トライ)』で導入された水中での狩猟は今までにないモンスターとの立体的な攻防を生み出した。

また、『モンスターハンター4』で導入された地形の高低差や、ジャンプアクションは以降のシリーズタイトルにも大きく影響を与えている。

そして近年、タイトルに込められた思いのとおり、シリーズが世界的にヒットするきっかけとなった『モンスターハンター:ワールド』では、周囲の環境を利用してさまざまなアクションが行える「スリンガー」を導入。

現状の最新タイトル『モンスターハンターライズ:サンブレイク』では、NPCが狩りに同行してくれる「盟勇システム」が搭載されている。このように、シリーズを重ねるたびに新たなシステムを取り入れるという挑戦をしてきた「モンスターハンター」。それぞれのシステムが好評を博し、以降のタイトルにも影響を与えつつ、シリーズとしての成長を続けている。

さまざまなシステムが追加されてきた「モンスターハンター」。しかし、その本質は初代から一切変わっておらず、「大型モンスターと対峙」することである。マルチプレイが盛り上がるタイトルではあるが、ひとりで難関クエストを乗り越えたときの達成感は、多くのハンターが味わったことがあるのではないだろうか?

ユーザーがより楽しめるように、より遊びやすくなるようにという調整や、そのためのシステム追加はあったとしても「モンスターを簡単に狩猟できる」といったチューニングの施しかたは、シリーズを通貫して行われていない。その根幹が揺らぐことがないゆえ、「モンスターハンター」は絶えず魅力的なコンテンツであり続けるのだろう。そして、それは発売を控える『モンスターハンターワイルズ』にも期待できるはずだ。

上述した各種のシステムや、各タイトルの当時の狩猟環境の情報が収録された書籍『モンスターハンター超百科』では、各17タイトルのオープニングムービーもQRコードで視聴することができる。

さらに、大型モンスター229体の詳細なデータと、鳴き声が楽しめるQRコードも掲載されており、シリーズファンであればさまざまな角度から楽しむことができるだろう。歴代タイトルを振り返りつつ、最新作の発売に思いを馳せてみてはいかがだろうか。

文:テレビマガジン編集部

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