【ライブレポート】キセルとsleepy.abのツーマン閉幕、新宿LOFTに響いた盤石のサウンド

AI要約

キセルとsleepy.abのツーマンライブ「DREAM MATCH 2024」が7月20日に東京・新宿LOFTで開催された。

成山剛(Vo, G)の透明感あふれる声に心地よいリバーブがかかるsleepy.abのパフォーマンスや、辻村豪文(Vo, G, Dr)と辻村友晴(Vo, B, musical saw)の美しいハーモニーが聴かれるキセルのステージには観客も魅了された。

sleepy.abとキセルがそれぞれの個性を存分に発揮し、新宿LOFTを満たす涼しげな空気と温かな雰囲気が演出された。

【ライブレポート】キセルとsleepy.abのツーマン閉幕、新宿LOFTに響いた盤石のサウンド

キセルとsleepy.abのツーマンライブ「DREAM MATCH 2024」が7月20日に東京・新宿LOFTで開催された。

■ sleepy.ab

水色のライトで涼しげに照らされるステージ。「なんとなく」でライブの幕が開けると、成山剛(Vo, G)の透明感あふれる声に心地よいリバーブがかかる。ドラムはマレットで奏でられ、その丸みを帯びた音色がsleepy.abの抒情性をより一層際立たせた。

山内憲介(G)がギターリフを奏でると「四季ウタカタ」がスタート。スローなビートに乗せて、成山の哀愁漂う歌声がこだまする。「夢の花」「街」を経て、成山は新宿LOFTの歌舞伎町移転25周年に言及。sleepy.abも昨年結成25周年を迎えたと話したのち、「夏の東京にはね、なかなか来てなかったので。(暑さに)ちょっとびっくりしましたね。だからそんな格好なんでしょ?(笑)」とタンクトップ姿の田中秀幸(B)を茶化した。

「cactus」で一気に音圧を増すsleepy.ab。リズム隊が刻む重厚なエイトビートがフロアの地面を揺らす。「sonar」でBPMが上がると、彼らは内なる情熱を燃やすかのようなアンサンブルを届けた。ラストナンバーはsleepy.abの故郷・北海道の地名を冠した「ねむろ」。ピースフルな演奏と成山の優しい歌声が混ざり合った。

■ キセル

キセルは「庭の木」でライブをスタート。辻村豪文(Vo, G, Dr)が爪弾くギターの音色が儚く響き渡る。辻村友晴(Vo, B, musical saw)はミュージックソーを演奏し、中華的な音色をこだまさせた。辻村兄弟の声は美しく混ざり合い、新宿LOFTを涼しげな空気で満たしていく。

「寝言の時間」「わたしは知らない」では豪文がドラム、友晴がベース、サポートメンバーの野村卓史がキーボードを演奏。ボサノバ調の「楽しい明日」を経て、「草葉の陰まで」が始まると、豪文は再びギターを構える。朝の光を思わせるようなきらきらとした弦の響きに、彼は素朴で美しい口笛を重ねた。

高田渡「鮪に鰯」のカバーが披露されたのち、次の演奏曲「春隣」を豪文が「季節外れですけど……」と紹介。友晴が「まあ、いいんじゃないですか?」と口を挟むと、豪文は「別に悪いとは言ってない」と言い返し、兄弟らしい遠慮のないやり取りが会場の笑いを誘う。友晴のベースリフでしっとりと始まったのは「ベガ」。2人の心地よいハーモニーに、野村が温もりのある音色で彩りを加えた。

「ひとつだけ変えた」で豪文が再びドラムを叩き、ステージをあとにするキセル。アンコールの拍手ですぐさま戻ってきた3人は、ラストナンバー「縁歌」を披露する。友晴は笛を吹き、日本の伝統音楽を思わせる優雅な音色を響かせた。

■ セットリスト

□ 「DREAM MATCH 2024」2024年7月20日 新宿LOFT

sleepy.ab

01. なんとなく

02. 四季ウタカタ

03. 夢の花

04. 街

05. cactus

06. ダイバー

07. sonar

08. ねむろ

キセル

01. 庭の木

02. 寝言の時間

03. わたしは知らない

04. 楽しい明日

05. 壁画の頃

06. 草葉の陰まで

07. 鮪に鰯(高田渡)

08. 春隣

09. ベガ

10. ひとつだけ変えた

<アンコール>

11. 縁歌