よみがえるガンダムのオーケストラ楽曲  楽譜を復元、仙台フィルが演奏へ

AI要約

人気アニメ「機動戦士ガンダム」のオーケストラ楽曲が紛失から見つかり、仙台フィルハーモニー管弦楽団によって初めて演奏される。

楽譜は三枝成彰によって1980年代に書き起こされたもので、バンダイナムコミュージックライブの倉庫から発見された。

演奏のきっかけは、仙台フィルとバンダイナムコグループが始めたアニメーション音楽の定期演奏会で、機動戦士ガンダムの楽曲が演奏候補として選ばれた。

よみがえるガンダムのオーケストラ楽曲  楽譜を復元、仙台フィルが演奏へ

 人前で演奏されることなく紛失していた人気アニメ「機動戦士ガンダム」のオーケストラ楽曲が、昨年11月に見つかった。今夏、仙台を拠点に活動する仙台フィルハーモニー管弦楽団によって初めて人前で演奏される。一度失った楽譜を復元し、世に残そうとする取り組みの一環だ。(時事通信社仙台支社 清水実乃里)

 見つかったのは1980年代に発売された音源のために三枝成彰さんによって書き起こされた「交響組曲『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム』」という楽曲。昨年11月7日、楽譜を管理していたバンダイナムコミュージックライブが東京都品川区にある倉庫から手書きの楽譜を発見した。

 楽譜は三枝さん直筆の指揮者用のもの。楽器ごとのパート譜は見つからなかったため、楽譜を清書する業者に楽器ごとの譜面を書き起こしてもらった。8月10日、仙台市泉区の仙台銀行ホール「イズミティ21」で初めて人前で披露される。

 楽譜が発見、演奏されるきっかけとなったのは、「エンターテインメント定期」と題して2024年度から仙台フィルとバンダイナムコグループが協力して始めたアニメーション音楽の定期演奏会。世界に誇るアニメ音楽を定期的に演奏することで後世に受け継いでいくことが目的の一つで、演奏する楽曲の候補として挙がったのが「交響組曲『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム』」だった。

 今年度の定期演奏会で演奏する作品は年齢層などを考慮し、5月4日の第1回公演は「コードギアス 反逆のルルーシュ」、8月10日の第2回公演が「機動戦士Z(ゼータ)ガンダム」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」、25年3月20日の第3回公演は「アイカツ!シリーズ」に決まった。しかし、「交響組曲『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム』」は演奏候補に挙がりながらも、そもそも譜面が存在するのか分かっていなかった。

 バンダイナムコピクチャーズの生地俊祐さんにとって、オーケストラ用に編曲した「交響組曲『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム』」を演奏会にかけることが、この定期演奏会を開始する大きな動機でもあった。バンダイナムコミュージックライブの音楽出版部門の人たちに譜面の存在を問い合わせたが、当初見つかったのはテレビ版の楽譜だけだった。