中村勘九郎、祖父や父の当たり役に初挑戦「ありがたいとの思いとともに、プレッシャーもありますが、しっかりエンジンをかけて臨みたい」

AI要約

歌舞伎俳優の中村勘九郎が歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」に向けて意気込みを語る。

夏公演は3部制で、注目の演目「梅雨小袖昔八丈 髪結新三」で勘九郎が念願の初役に挑む。

今年は父勘三郎の13回忌であり、涼しい劇場で熱演を誓う。

中村勘九郎、祖父や父の当たり役に初挑戦「ありがたいとの思いとともに、プレッシャーもありますが、しっかりエンジンをかけて臨みたい」

 歌舞伎俳優の中村勘九郎(42)がこのほど、東京都内で歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」(8月4~25日)の取材会を開き、公演に向けての意気込みなどを語った。

 3部制で上演される歌舞伎座恒例の夏公演。今回は第一部「ゆうれい貸屋/鵜の殿様」、第二部「梅雨小袖昔八丈 髪結新三/艶紅曙接拙 紅翫」、第三部「狐花 葉不見冥府路行」を上演する。

 話題の演目は、第二部の世話物「梅雨小袖昔八丈 髪結新三」。主人公の髪結新三は、勘九郎の祖父の十七代目中村勘三郎さん、父の十八代目中村勘三郎さんへと継承されてきた当たり役で、勘九郎にとっては念願の初役となる。

 勘九郎は「いつかやりたいと思っていた役でした。ありがたいとの思いとともに、プレッシャーもありますが、しっかりエンジンをかけて臨みたい」と力を込めた。

 新三は手練れた髪結いの仕事から一転、悪の本性で魅せる役どころ。勘九郎は「新三はカッコ良くて、色っぽくって、エッチじゃないといけない役です。祖父も父も匂い立つようなものでした。僕も工夫してしっかりやっていきたい」と役作りへの思いを語った。

 今年は2012年に亡くなった、父勘三郎さんの13回忌にあたる。思わぬ〝追善公演〟に勘九郎は「父が見えない力でこの公演の話を通してくれた、助けてくれたのかなと思います。猛暑の中での公演ですが、涼しい劇場でお客さまを熱中させるものを作ります」と天国の父にも熱演を誓った。