「水戸黄門」放送開始55年 キャストインタビュー① 助さん&光圀役25年5カ月の里見浩太朗「どんな人にも楽しんでもらえる良心の塊」

AI要約

 TBS系の長寿時代劇「水戸黄門」が放送開始55周年を迎え、出演者が歴史を振り返り、ドラマの魅力を語る特番が放送される。

 「水戸黄門」は放送回数1248回を誇る人気作品であり、武田鉄矢をはじめ多くの出演者が視聴者に愛された。

 助さん役を25年以上演じた里見浩太朗が、初代の役者の雰囲気に近づいた心境やドラマの魅力について語る。

「水戸黄門」放送開始55年 キャストインタビュー① 助さん&光圀役25年5カ月の里見浩太朗「どんな人にも楽しんでもらえる良心の塊」

 国民的時代劇といわれるTBS系「水戸黄門」(後にBSーTBSでも放映)が放送開始55周年を迎え、8月11日、当時の映像を交え、出演者があらためて歴史を振り返り、ドラマの魅力を伝えるBSーTBSの特番「放送55周年記念 あゝ人生に水戸黄門あり」(午後7時)がオンエアされる。長きにわたって出演し、幅広い視聴者に親しまれた横内正(83)、里見浩太朗(87)、由美かおる(73)、野村将希(71)が取材に応じ、それぞれに「水戸黄門」の思い出などを熱く語った。(三橋正明)

 1969(昭和44)年8月に東野英治郎さんが初代水戸光圀のご老公を演じた第一部からスタートした「水戸黄門」はBSーTBS版(2017~19年)で武田鉄矢(75)が六代目ご老公役を務め、放送は計1248回に及んだ。

 佐々木助三郎(助さん)を第3部から16年3カ月、457話にわたって演じ、02年の第31部から268話、9年2カ月の間、ご老公役も担い、計25年5カ月、「水戸黄門」と歩んだ里見は取材会を開き、「65歳で(ご老公の)話があった。でもまだ水戸黄門をやる年じゃないと思った」と当時の心境を明かした。

 「(ご老公役で出演して)最初のカットが江戸城で将軍を訪ねるシーン。『光圀さま、おなーり』と廊下を歩いたら監督から『コーちゃん、歩くの早いよ、若いよ』と言われ、丹波哲郎さんがよく使っていた3通りの演技で、気に入ったのを使ってもらった」と〝舞台裏〟を披露し「70歳になったら何となく(初代の)東野さんの雰囲気に近づいたかなと思うようになった」と後日談も明かした。

 さらに「水戸黄門の魅力は家庭で幼稚園児から高齢者まで楽しんでもらえるドラマということ。『水戸黄門』は楽しい、うれしい、悲しいといろんな感情を伝えるのが良さなんです。助さんらの立ち回りも全部(刃ではない)峰打ちで〝切って殺して〟ではなく、どんな人にも楽しんでもらえる本当に良心の塊だったんです」と強調。「日本の道徳と良心という教科書みたいな水戸黄門は放送された時代に自然に受け入れられたと思う」と時代観にも触れた。