「不安や恐怖を感じる暇がない」がん闘病中の森永卓郎氏、治療費月100万円と1日18時間労働

AI要約

経済アナリストの森永卓郎氏が公表したステージ4のすい臓がんを克服するため、がん免疫療法などの治療を受けながら多忙な日々を送っている。

体力が低下する中でも仕事に余念がない森永氏は、著書の執筆からラジオ出演、講演まで多岐にわたる活動を続けており、1日の労働時間は18時間に及ぶ。

仕事のスケジュールがぎっしりで、家族との時間が限られる中、常に妻に支えられながら闘病を続けている様子がうかがえる。

「不安や恐怖を感じる暇がない」がん闘病中の森永卓郎氏、治療費月100万円と1日18時間労働

 昨年末にステージ4のすい臓がんを公表(その後、「原発不明がん」と診断)した経済アナリストの森永卓郎氏(66)。治療と仕事を並行し、医師に宣告された「余命」期間を過ぎても精力的に活動している。がん闘病の日々と治療に関するお金事情、人生の最期への思いなどを明かしてくれた。

「現在、私の病状は『原発不明がん・終末期』かつ『要介護3』の状態です。がん免疫療法薬であるオプジーボの点滴を月1回、血液中の免疫細胞を増殖させて身体に戻すNK療法を月2回、医師の訪問診療を月2回受けています。

 がん自体は一進一退というところですが、今は数十メートル歩くのが限界で、90分も働くと疲れてしまうため、そのあと仮眠をとらねばならない状態です」

 このように近況を語る森永氏。しかし体力が低下する中でも仕事には余念がない。「今の状態で稼働できるのはあと数か月かもしれない」と腹をくくり、仕事ではフルスピードで走ることを徹底しているという。

「(6月に発売となった)最新刊の『がん闘病日記』刊行後、現在10冊の書籍の執筆を同時進行しています。

 ラジオのレギュラーは6本、テレビは『がっちりマンデー!』に出演し、媒体連載は12本を執筆するほか、大学の授業が週3コマ、YouTubeへのゲスト出演が月数本、講演も月1回ペースで行っています。

 その他、農業、童話作家、落語家、ミュージシャン、私設博物館運営、マンガ原作作家、カメラマンの仕事もしています。平均するといまの1日の労働時間は18時間くらいでしょうか」

 とても闘病中とは思えないバイタリティーだ。前回取材の際、今春には人生で初めて家族での花見を楽しんだとのことだったが、最近の家族時間は?

「仕事のスケジュールがびっしり入っていて、旅行に出かける時間もありません。ただ、毎日妻と二人で食事をとり、毎日二人で買い物に出かけ、週に一度は温浴療法を兼ねて近所のスーパー銭湯に二人で行っています。

 子どもたちも忙しくて最近は家にはあまり来ないので、夫婦二人きりの生活になっています。これだけずっと妻と一緒にいるのは人生初の経験ですね。いまは要介護3の状態ゆえに家事から通院、着替えまで、生活のすべてを妻に依存。妻がいなかったら、とうの昔に死んでいたと思います」