ひとシネマ執筆陣が選んだ〝2024年上半期の5本〟:充実!〝見逃し厳禁〟監督 杉田協士、ドミニク・モル、ショーン・ダーキン…… 高橋諭治

AI要約

多くの映画ファンは、新作映画を楽しみに待っており、筆者も含め多くの監督の作品を鑑賞した。

気鋭やベテラン監督たちの作品を鑑賞し、その出来栄えに期待以上の満足感を得た。

また、初見のフィルムメーカー作品も見逃せず、エコテロリズムを扱った作品や未公開作品など、幅広い映画を楽しんだ。

ひとシネマ執筆陣が選んだ〝2024年上半期の5本〟:充実!〝見逃し厳禁〟監督 杉田協士、ドミニク・モル、ショーン・ダーキン…… 高橋諭治

「彼方のうた」

「12日の殺人」

「マンティコア 怪物」

「人間の境界」

「HOW TO BLOW UP」

(公開順)

多くの映画ファンは、新作が公開されたら自動的にチェックする「見逃し厳禁の監督リスト」を持っているはずだ。ちゃんと整理したことは一度もないが、筆者の脳内にも100人以上の私的なリストがあり、今年上半期はそれに含まれる気鋭やベテラン監督たちの新作を数多く鑑賞することができた。

杉田協士「彼方のうた」、ドミニク・モル「12日の殺人」、ショーン・ダーキン「アイアンクロー」、アンドリュー・ヘイ「異人たち」、カルロス・ベルムト「マンティコア 怪物」、アグニエシュカ・ホランド「人間の境界」、ジョナサン・グレイザー「関心領域」。編集部の注文は5本だったが、どれも期待にたがわぬ出来だったため、これだけでもう7本になってしまった。

もちろん初見のフィルムメーカーが放った野心作も見逃すわけにはいかず、エコテロリズムという危ういテーマを濃密な犯罪スリラーに仕立てた米インディーズ映画「HOW TO BLOW UP」(ダニエル・ゴールドハーバー監督)は圧巻の快作だった。加えて、6月最終週にシアター・イメージフォーラムで開催されていた「オーストリア映画週間2024」で鑑賞した暗黒の歴史劇「デビルズ・バス」(仮題/ベロニカ・フランツ、セブリン・フィアラ監督)が大収穫。こちらは2025年公開予定だという。