三菱UFJ銀行など強制調査 未公開情報伝達か 証券取引等監視委

AI要約

三菱UFJ銀行の取引先から漏れた未公開情報による不正な株取引の疑いについて、証券取引等監視委員会が強制調査に入った。

TOBを行う企業の情報が行員を通じて関係者に漏れ、親族らがTOB前に株を購入し、利益を得た可能性がある。

行員は利益を得ておらず、監視委の調査に協力しているが、関係者による不正な株取引が疑われている。

三菱UFJ銀行など強制調査 未公開情報伝達か 証券取引等監視委

 三菱UFJ銀行の取引先に関する未公開情報が外部に漏れ、不正な株取引が行われた疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が5月、三菱UFJ銀行の本社(東京都千代田区)などに金融商品取引法違反(情報伝達)容疑で強制調査に入ったことが分かった。

 監視委は、株取引にかかわった関係者について、東京地検への告発を視野に調べている。

 関係者によると、外部に漏れたのは、三菱UFJ銀の取引先企業が、株式公開買い付け(TOB)を行うという未公表の情報。これが同行に勤務する男性行員を通じて、複数回にわたって、行員の親族や親族の取引先などに伝わった。親族らはTOB公表前に、この企業の株を購入したという。

 株価はTOB公表後に上昇しており、行員の親族らは一連の株取引で計数百万円の利益を得たとみられる。一方、行員は利益を得ていないとみられ、監視委の調べに「親族らの株取引は知らなかった」などと説明しているという。