宝塚 宙組公演 20日に約9カ月ぶり再開へ 他組より9~15人少ない60人での再出発

AI要約

宝塚歌劇団宙組が9カ月ぶりに再開する。トップスター芹香斗亜と春乃さくらが主演するショーが上演される。

株主総会ではパワーハラスメントや過重労働に関する厳しい意見が出された。劇団は和解したものの、個人の責任は問わない姿勢を示している。

宙組は公演中止後、4人が退団し、劇団員数が減少。宝塚大劇場での再開は30日まで。

宝塚 宙組公演 20日に約9カ月ぶり再開へ 他組より9~15人少ない60人での再出発

 宝塚歌劇団宙組公演が20日、本拠地・宝塚大劇場で再開する。25歳の宙組劇団員が急死して以来、宙組は大劇場をはじめとする全公演が中止となっていたため、実に約9カ月ぶりの再出発となる。

 今回上演されるのは、トップスター芹香斗亜と、トップ娘役・春乃さくら主演のショーのみの特別公演「Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-」。1927年に国内初のレビュー『吾が巴里よ モン・パリ』以降、様々なレビュー作品を生み出してきた宝塚歌劇110年の歴史と、オマージュの華麗なる作品。パリやグラナダ、ニューヨークの青年たちが追い求める夢の先に照らし出された荘厳な大階段(=Le Grand Escalier)をモチーフに、美しい宝塚歌劇の名曲でつづられた作品となる。

 そんな宙組再開に先立ち、宝塚歌劇団の親会社、阪急阪神ホールディングスの株主総会が14日行われた。そこでは「ハラスメントについて世間と劇団にズレがある」「なぜ舞台に立たせる。懲戒解雇にしないのか」「腐ったリンゴは捨てないと、組織全体が腐る」といった厳しい意見が株主から飛び出していた。

 劇団はパワーハラスメントや過重労働を認め、今年3月末に遺族側の和解が成立。だがパワハラについては「行為はハラスメントだが、悪意をもっていない。厳しい叱責(しっせき)がハラスメントになると思っておらず、気付く教育をしなかったことに、組織としての責任が劇団にある」という、従来通りの姿勢は変わっていない。そのため劇団としての謝罪はしたが、パワハラを行ったとされる上級生ら個人の責任は問うていない。

 宙組は公演中止以後に4人が退団し、現在の劇団員数は60人。花組は72人、月組は75人、雪組は69人、星組は75人が在籍している。19日時点で休演者の発表はないが、全員が出演しても他組より9~15人少ない陣容となっている。

 宝塚大劇場は30日まで。東京宝塚劇場は7月20日~8月25日。