金沢城跡の石垣、地震からの復旧に15年…「石垣の博物館」の価値と強度両立の工法を検討

AI要約

石川県の馳知事は、金沢城跡の石垣全体の復旧には約15年かかる見込みであることを示した。

地震による石垣の被害は28か所に上り、復旧作業には3~5年かかるとされている。

文化財調査や強度向上と両立する復旧工法の検討が今後行われる予定であり、地元の文化財としての価値を保全する取り組みが進められている。

 石川県の馳知事は7日の県議会で、能登半島地震で被害を受けた国指定史跡「金沢城跡」(金沢市)の石垣について、全体の復旧に15年程度かかるとの認識を示した。

 県によると、元日の地震による石垣の被害は計28か所に上る。東日本大震災で石垣が崩れるなどの被害が出た福島県の国指定史跡「小峰城跡」の復旧に要した時間を参考に、金沢城跡の崩落した5か所の復旧には3~5年ほどかかると見込んだ。

 今月から復旧作業の支障となる樹木を整え、今夏には崩れた石材を取り除いて文化財調査に使う足場を設置。専門家会議を通じて、文化財としての価値の保全と、地震に対する強度を両立させた復旧工法を検討していくという。

 年代ごとに積み方や意匠が異なる金沢城の石垣は「石垣の博物館」と称されており、馳知事は「文化庁と協議して作業を進め、石垣が復旧していく現場の見学会を開催することも検討する」と述べた。