森田美勇人「晴れ模様」
アーティストや俳優・声優による連載「QJカメラ部」で、アーティストの森田美勇人が日常のシャッターチャンスについて語る。
森田美勇人が、上質なピザの味を通じて作品に求める明快さと深みを考える。
彼がピザから得た有益な情報を元に、自らの作品づくりに取り入れることを決意する。
写真を撮ることにこだわりを持つアーティストや俳優・声優による連載「QJカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
第107回。
大げさじゃないピザを初めて食べた。
というよりも今まで経験した味が大げさに感じられるほど、このピザはトマトと小麦とバジル、それとほんの少しのチーズが上等に混ざり合っていた。
混ざり合っているのに、それぞれの素材をはっきりと感じられる。
それこそが上質なのかとこのピザの明快かつ深みのある味から教わった。
あらゆる物事に変換できる有益な情報だった。
こんな作品をつくりたいと思った。