「唖然」京葉線異例のダイヤ再変更で新たな火種「利用者を粗末に扱う変更」習志野市長が猛抗議

AI要約

JR東日本は3月に改正した京葉線のダイヤを9月に再改正することを発表。異例の措置で朝夕の快速が4本復活し、所要時間短縮も見込む。

県知事や市長から一定の評価の声があがる一方、習志野市長は通過電車増加に猛反発し、新たな火種が発生。

異例の再改正に対して、県知事や千葉市長から一定の評価があり、今後も意見交換を継続する姿勢を示している。

「唖然」京葉線異例のダイヤ再変更で新たな火種「利用者を粗末に扱う変更」習志野市長が猛抗議

 JR東日本は30日、3月に改正したばかりの京葉線(東京-蘇我)などのダイヤを9月に再改正することを発表した。3月の改正で廃止された朝と夕方以降の快速が計4本復活するなどの異例の措置で、廃止に異論を唱えていた県知事や千葉市長から一定の評価の声があがった一方で、通過電車が増える習志野市長は猛反発し、新たな火種が発生している。

 JR東は午前6時台に内房線・外房線を始発し京葉線を経由する東京行き2本と、午後8時台に東京始発で京葉線から内房線・外房線に向かう各駅停車2本を各駅停車から快速に変更する。また快速の運行時間を現行より拡大し、平日で7本、土休日で12本の各駅停車を快速に変更する。これにより約10~15分の所要時間短縮が見込めるとした。3月の改正では混雑の平均化を理由に朝夕の快速の他、通勤快速を廃止しており、わずか6カ月で異例の対応となる。

 3月の改正に「容認できない」と反発していた千葉県の熊谷俊人知事は、今回の再改正を受け、公式Xで見解を表明。「今春の京葉線のダイヤ改正に対しては、私からも様々な機会を捉えてJRへ見直しの申入れをし、意見交換を重ねるとともに、沿線市町村や経済界との調整も図ってきたところです」と経緯を説明し「この結果、定期的な春のダイヤ改正を待たず、秋口にダイヤ変更を実施するという異例の対応をして頂き、大変感謝しています」と一定の評価をした。今後も引き続き意見交換をしていくことも明かした。

 また、東京から快速で30分強の所要時間となる「海浜幕張駅」などがある千葉市の神谷俊一市長もXを更新。「速達性」が3月より改善されたとして「全体としては必ずしも十分なものではありませんが、千葉市が要望してきた事項や利用者アンケートの結果と照らして、また1年を待たずに再改正することは、極めて異例の対応であり、大変有り難く、一定の評価ができると考えています」とつづった。その上で「幕張メッセ」など大規模施設がある幕張新都心のアクセス向上のため、引き続き交渉する意向も明らかにした。

 一方で、東京駅から各駅停車で所要30分強の「新習志野駅」がある習志野市の宮本泰介市長は、同駅発着の各駅停車が1日最大12本減便されるとして猛反発。市の公式サイトに声明を掲載し「駅利用者を粗末に扱う変更」「変更に唖然としており、到底容認できません」と強く抗議した。

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 ▽習志野市・宮本泰介市長の声明

 JR東日本千葉支社における京葉線ダイヤの変更発表について

 表記について習志野市としては以下の通り意見表明いたします。

 主旨「駅利用者を粗末に扱う変更。反対」

 3月の改正から3か月弱、周知期間にもならないようなタイミングで、各駅停車の本数を減らすという変更に唖然としており、到底容認できません。2日前に支社長が直接来庁され本内容と発表日の報告があったのみで相談はありませんでした。

 臨時の変更なので、快速が増発されるだけと思っていたところ、各駅停車との入れ替えであり、つまり、新習志野駅への停車は1日最大12本無くなります。

 また「通勤快速と同等の快速」が謳われていますが短縮時間の半分は海浜幕張駅以東で捻出されており、海浜幕張駅から東京駅までの短縮時間(約5分)は「通勤快速と同等」の装飾に使われていると感じます。その5分により、快速が停車しない駅の利用者が次の電車まで10分以上待つことを考慮されているのか疑問です。

 このような犠牲が伴う結果は、千葉市をはじめ要望した自治体においても希望していないものと強く理解しています。

 令和6年5月30日

 習志野市長 宮本泰介