「織田信長の館」老舗料亭で立ち退きトラブル…岐阜市と契約切れも「納得できない」 映画「稲村ジェーン」で有名な鎌倉の名物カフェでも対立

AI要約

岐阜市の老舗料亭「萬松館」と神奈川・鎌倉の有名なカフェが立ち退きトラブルに巻き込まれている。

岐阜市の老舗料亭「萬松館」は契約満了後に明け渡しされないまま営業を続けており、市との対立が続いている。

鎌倉の有名カフェ「ビーナスカフェ」も耐震性を巡る問題で立ち退きを迫られており、市との訴訟が起こされる可能性がある。

「織田信長の館」老舗料亭で立ち退きトラブル…岐阜市と契約切れも「納得できない」 映画「稲村ジェーン」で有名な鎌倉の名物カフェでも対立

昭和天皇も訪れたという岐阜市の老舗料亭に、神奈川・鎌倉にある映画のロケ地としても有名なカフェ。今、各地で立ち退きに関するトラブルが相次いでいる。

岐阜市とのトラブルが明らかになったのは、織田信長の館があった場所と伝えられる老舗料亭「萬松館(ばんしょうかん)」。

付近には岐阜城がそびえ立つ金華山があり、約7000㎡の広大な敷地を誇る名料亭だ。

岐阜市によると、この土地と建物は明治時代に寄付を受け、市の所有となり、戦後は料亭側と賃貸契約を結んできた。しかし、「これ以上の更新をしない」という合意のもと結んでいた10年間の契約が、2023年2月に期限を迎えたという。

柴橋正直市長:

私どもの担当部局と先方とで(協議を)行ってまいりましたが、契約満了となっている現在も明け渡しがされていない。

営業を続けている理由について萬松館の5代目社長はこう話す。

ーー契約が切れたことは把握している?

萬松館・五百木健次社長:

把握していますよ。

2011年に東日本大震災がありましたので、耐震工事をしなきゃいけないと。

そこでいったん長期の契約を切ったんです。

その時に、10年後の話の説明は全くない。

「どうなるかも分からない。これから決めていきますから」みたいな言い方なわけです。

「退去しろ」という一方的な言い方は納得できない。

五百木社長は、岐阜市から契約満了後の詳しい説明を受けずに期限付きの契約を結ばされたと主張し、今後も営業を続ける意向で、市に対話を求める考えだ。

一方の市は引き続き、立ち退きを求め、提訴も検討しているとしている。

立ち退きを巡る対立は、神奈川県の観光地・鎌倉でも起きている。

サザンオールスターズの桑田佳祐監督の映画「稲村ジェーン」や多数のドラマのロケ地として有名な「ビーナスカフェ」。

鎌倉市が管理する鎌倉海浜公園内にある、そのカフェの運営会社に対し、市は建物の明け渡しを求める訴訟を起こすことを明らかにした。問題とされたのは建物の耐震性だ。

「ビーナスカフェ」を運営するメイン商事 吉澤代表取締役:

突然、鎌倉市の方から「耐震検査を実施します」と言われました。

市が検査を行った結果、「耐震性なし」と判断され、立ち退きを迫られたカフェ。

「ビーナスカフェ」を運営するメイン商事 吉澤代表取締役:

日本でも権威のあるような先生に自分で検査をしてもらいました。

店側の検査結果は「補強すれば耐震性に問題なし」というもので、市の検査と食い違っている。

土地を管理している市は取材に対し、「建物の老朽化が進み、耐震性に問題が生じており、都市公園の新たな利活用を検討する方針としました。現在は不法に占用された状態です」と回答した。

(「イット!」 5月30日放送より)