正に真っ二つ! 「人材は企業が育てる? 自分で成長すべき?」…調査結果から考える「社員も企業も成長する方法」

AI要約

Job総研が行った意識調査では、52.5%が自己成長を重視し、47.5%が企業に育ててもらうことを希望していることがわかった。

人材育成にはリスキリングと個人のキャリアプランのための学びという2軸があり、経営者はどちらも考慮する必要がある。

特にデジタルスキルの重要性が高まる中、企業は従業員のスキル向上に積極的に関わる必要があるという指摘がされている。

正に真っ二つ! 「人材は企業が育てる? 自分で成長すべき?」…調査結果から考える「社員も企業も成長する方法」

 Job総研が「人材は企業が育てるのか? それとも自分で成長するのか?」という意識調査を行なったところ、「自分で成長する」という回答は52.5%、「企業が育てる」という回答は47.5%という結果になった(20代から50代の社会人516人を対象)。

 「自分で成長する派」には「企業はあくまで制度面などを整えるまででそれ以降は自身で努力するのが当然」「我々氷河期世代は会社が育成してくれると思っておらず自費での資格取得しか方法はなかった」などの意見が。

 一方、「企業が育てる派」は「採用した人をあるレベルまで引き上げるのは企業側の責任」「人材育成には上司と環境がとても大切。その会社に居続けたいと思う理由の一つになる」という声が。

 この調査結果についてオンライン動画学習サービスを運営するSchooのエバンジェリストの滝川麻衣子氏は「実は人材育成には『リスキリングに代表される人材投資』と『自分個人がどのように働きたいか・生きたいかというキャリアプランのための学び』という2軸ある。今回の調査の回答者がどちらの育成を思い描いていたのかは不明瞭だ」とした上で、「前者は完全に経営の責任」と指摘した。

 「企業業績を伸ばしていくために『どの社員に』『どういう勉強をさせて』『どういう技術やスキルをつけてもらって成果を最大化するか』と考えるのは経営の仕事。日本の場合、就業時間中に勉強の時間を設けず、仕事をしながら自分自身のスキルを磨くOJTを続けてきたが、デジタルやAIが急速に進化する現代においてそれでは足りず、このままではデジタルスキルが足りない社員が増えてしまう。そのため、企業側は『就業時間中の○%を新しいスキルを身につけることに使おう』と働きかけるべきであり、海外ではウォルマートやサムスン電子などの成功事例もある。『就業時間が終わってからやってもらおう』ではできないのだ」

 さらに滝川氏は個人のキャリアプランのための学びについて「例えば、『今の会社にずっといるかわからない』『将来は職種を変えてデザイナーやコンサルタントになりたい』などという今の会社の延長線上にはないキャリアプランを描いている方はそこに向けた学びは当然自分で取り組むことになる。とはいえ、別分野の勉強は容易ではないため、明確なゴールを設置し、そこに向かって進めることが大切だ」と説明した。