事件以前にも「ぼっち」という言葉めぐりトラブル 長野4人殺害たてこもり事件から1年

AI要約

事件から1年が経過した長野県中野市で発生した殺人事件について、猟銃を持って立てこもった男が4人を殺害したことが明らかになりました。

犯人は「ぼっちと馬鹿にされた」と動機を述べており、以前から「ぼっち」と関連したトラブルを起こしていたことも判明している。

犯人の責任能力を巡る裁判が行われる中、住民たちは事件を忘れようとしている様子。

事件以前にも「ぼっち」という言葉めぐりトラブル 長野4人殺害たてこもり事件から1年

長野県中野市で住民など4人が殺害された事件はきょうで発生から1年。猟銃を持って立てこもった男は「ぼっちと馬鹿にされた」と動機を話していますが、事件以前にも「ぼっち」という言葉をめぐってトラブルを起こしていたことが新たにわかりました。

記者

「事件の発生から1年となった長野県中野市の現場です。扉には猟銃の弾丸が貫通した痕があり、いまも事件の爪痕が残されています。また亡くなった人たちに向けた花束も手向けられています」

2人の犠牲を出した警察署ではきのう、追悼式が行われました。

「志を引き継いで、これからも治安維持に最善を尽くしていきましょう」

去年5月25日、長野県中野市で、女性2人が散歩中に突然、ナイフで襲われました。

第一通報者の男性は。

第一通報者の男性

「完全に血の海でしたね。(犯人は)サイボーグみたいな表情で、感情をまったく出さない」

その後、駆け付けた、男性警察官2人も猟銃で撃たれるなどして死亡。男は近くの自宅に立てこもりました。

殺人の疑いで逮捕され、その後、起訴されたのは青木政憲被告(32)。調べに対し「女性たちにぼっちと馬鹿にされた」と供述しています。

「ひとりぼっち」を略した「ぼっち」。元市議会議長の家に育った青木被告はいつからこの言葉に敏感になったのでしょうか。

中学時代の知人

「(Q.感情が表情に出ることは?)基本的には本当に冷静な様子というか、特になかったですね」

高校の部活顧問

「授業中の姿を見ていても『ぼっち』というのは、感じたことは一度もありません。むしろ何があったんだろう、彼が卒業してから」

若者言葉の専門家によりますと「ぼっち」という言葉が急速に広まったのは青木被告が高校生から大学のころ。

東京の大学を中退し、家族が経営するジェラート店で働いていたときには、こんなトラブルがあったことが捜査関係者への取材で新たにわかりました。

「アルバイト従業員がぼっちと言った」

さらに、青木被告の弁護士によりますと逮捕後、留置されていた施設でも「職員からぼっちと言われている」などと話していたということです。

今後、行われる裁判員裁判の争点は「責任能力」の有無。弁護側は「精神疾患によって完全に妄想に支配された」などとして、無罪を主張するとみられます。

事件から1年、住民同士が事件のことを口にすることはほとんどないといいます。

第一通報者の男性

「お互いに思い出すとつらいのか知らないけど、みんな早く忘れたいと思っているのかもしれない」