傍聴妨害対象事件の元校長に有罪 児童に強制わいせつ、横浜地裁

AI要約

神奈川県の小学校で校長を務めていた男が女子児童にキスするなどの行為で強制わいせつの罪に問われ、懲役1年6月、執行猶予3年の判決が言い渡された。

横浜市教育委員会が裁判傍聴妨害の対象となったが、被告や被害者の個人情報は伏せられたままであった。

市教委は今後は職員の動員を行わない方針を表明している。

 自身が校長を務めていた神奈川県の小学校で2019年、女子児童=当時(9)=にキスするなどしたとして、強制わいせつの罪に問われた男に横浜地裁は24日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。この裁判は、横浜市教育委員会が職員を動員する裁判傍聴妨害の対象となっていた。

 市教委は19年度以降、教員による児童・生徒への性犯罪事件に職員を大量動員して一般人の傍聴を妨げていた。この裁判を含む4件が対象だった。ただ、いずれでも被告や被害者を匿名とするなど、個人情報を伏せる措置が取られていた。

 判決によると、男は2021年9~10月ごろに複数回、校長室で児童にキスするなどした。

 倉知泰久裁判官は判決理由で「校長という責任ある立場での行為は強く非難されるべき」と指摘。示談が成立していることなどから、執行猶予が相当とした。

 市教委は今月21日に今後は動員をしないと表明。「結果として関心を大きくしてしまったことは重く受けとめている」とした。