3年間空室、神奈川県庁の食堂スペース 事業者決まらず苦肉の策

AI要約

神奈川県庁東庁舎12階のレストランスペースは、3年以上空き状態であり、苦肉の策で4回目の事業者募集を開始する。

広々としたスペースには富士山や横浜港などの素晴らしい眺望が楽しめるが、コロナ禍の影響や少し離れた立地などが課題となっている。

県は最低賃料を半額以下に引き下げるなどの対策を講じているが、これまで応募者は現れていない。

3年間空室、神奈川県庁の食堂スペース 事業者決まらず苦肉の策

 3年以上空室となっている神奈川県庁東庁舎12階のレストランスペースについて、県は24日から4回目の事業者募集を始めた。最低賃料を初回の募集から半額まで下げたり、設備の補助に乗り出したりするなど、苦肉の策で応募者を待つ。

 レストランスペースは広さ約378平方メートルで、2021年4月に本格運用を開始した東庁舎最上階の12階にある。横浜港や横浜税関などの横浜三塔を見渡せ、富士山も望むことができる眺望が売りだ。

 だがコロナ禍の影響や、繁華街から少し離れた立地などから事業者は見つかっていない。20年3~5月に実施した1回目の募集では、期間中に緊急事態宣言が発令されるなど時期も悪く、応募はゼロ。22年3~6月の2回目の募集では、1社が手を上げたが、その後に「資金調達にめどが立たなくなった」として辞退した。

 賃料や初期投資が足かせとなっているとみた県は、最低賃料を1回目の年間2123万円から44%減の1188万円に設定。これまで事業者負担を想定していた換気設備の一部も県が設置し、3回目の募集に打って出たが、それでも応募者はいなかった。事業者側へのヒアリングでは「商業施設ではないので集客が難しい」などの意見が上がったという。

 4回目の募集では、最低賃料をさらに1割下げて約1060万円とし、原則年中無休としていた要件を緩和。さらに、初期投資の負担を減らすため基本設備の設置費用を県が最大4440万円負担する。庁舎管理課の担当者は「打つ手は打った」と、悲痛な面持ちで話す。

 入札の申請は6月19日まで。【蓬田正志】