【独自解説】人数減少で多忙な公務…国会で始まった“皇族減少対策”の議論、「2つの案」が出されるものの課題山積…男系天皇・女性天皇・女系天皇については「その議論は時期尚早だということ。いわば、先送り」と専門家が指摘する理由

AI要約

現在、未成年の皇族は悠仁さま一人となっている状況の中、国会で皇族減少対策の議論が始まりました。

現在の皇位継承順位は第1位が秋篠宮さま、第2位が悠仁さま、第3位が常陸宮さまとなっています。

女系天皇の問題にも触れられ、男系天皇との違いが議論されています。

【独自解説】人数減少で多忙な公務…国会で始まった“皇族減少対策”の議論、「2つの案」が出されるものの課題山積…男系天皇・女性天皇・女系天皇については「その議論は時期尚早だということ。いわば、先送り」と専門家が指摘する理由

 現在、未成年の皇族は悠仁さま一人となっている状況の中、国会で皇族減少対策の議論が始まりました。“2つの案”が出ていますが、どちらにも課題が…。果たして、今後どうなるのか?元宮内庁職員・山下晋司氏の解説です。

 皇室は現在17人で構成されていて、男性は上皇さま(90)、天皇陛下の叔父・常陸宮さま(88)、天皇陛下(64)、秋篠宮さま(58)、悠仁さま(17)の5人のみ。若い世代は悠仁さま一人となっています。

 皇室典範によると、皇位継承資格を持つのは『男系男子』で、順序は①皇長子②皇長孫③その他の皇長子の子孫④皇次子及びその子孫⑤その他の皇子孫となっていますが、現在これらに当てはまる方はおらず、秋篠宮さま・悠仁さまは⑥の『皇兄弟及びその子孫』に、常陸宮さまは⑦の『皇伯叔父及びその子孫』に当てはまります。これを踏まえ、現在の皇位継承順位は第1位が秋篠宮さま、第2位が悠仁さま、第3位が常陸宮さまとなっています。

Q.かなり少ない人数ですね?

(元宮内庁職員・山下晋司氏)

「少なくなるのは今に始まったことではなく、ずっと前からわかっていたことですが、それを今後、皇位継承・皇族数の減少という二つの課題をどのように法改正して次に繋げていくか、というところです」

 宮内庁ホームページによると2024年4月の動静件数は100件以上あり、天皇ご一家・約50件、秋篠宮ご一家・30件以上、他の宮家・30件以上と、皇族の人数減少により公務の負担が増えています。

 天皇陛下は2024年2月の記者会見で、皇族の課題について「男性皇族の数が減り、高齢化が進んでいること、女性皇族は結婚により皇籍を離脱することといった事情により、公的活動を担うことができる皇族は、以前に比べ減少してきております。皇室の将来とも関係する問題ですが、制度に関わる事柄については、私から言及することは控えたいと思います」と語りました。

 皇位継承の課題で度々話題に上がるのが、男系天皇・女性天皇・女系天皇です。男系天皇は「父方が天皇の血筋を持つ男性」、(男系)女性天皇は「父方が天皇の血筋を持つ女性」、女系天皇は「母方のみに天皇の血筋を持つ男女」という違いがあります。過去をさかのぼって女性天皇は8人が即位していますが、女系天皇は歴史上いません。

Q.女系天皇は、性別は関係ないということですよね?

(山下氏)

「そうです。男性であれば、“女系の男性の天皇”ということになります。“男系維持派”には、『女系自体を認めない』『それはもう天皇ではない』という考えの人もいます。今まで女性の天皇はいらっしゃいましたが、“男系の女性天皇”しかいらっしゃらなかった、ということです」