自民党の「慢心と堕落」 緊張感のない政治が生み出した裏金事件

AI要約

古賀氏が、補欠選挙での立憲民主党の勝利と自民党の裏金事件について言及。

裏金事件によって、自民党や政治全体の信頼が揺らいでいると指摘。

自民党の後ろ向きな態度やライバル政党の不在が、政治改革や政権党の危機意識を欠如させていると述べた。

自民党の「慢心と堕落」 緊張感のない政治が生み出した裏金事件

 元連合会長の古賀伸明氏は毎日新聞政治プレミアに寄稿した。

 4月28日に投開票された衆院東京15区、島根1区、長崎3区の補欠選挙で、立憲民主党が全勝したことについて、「自民党の制度疲労の象徴ともいえる裏金事件への実態解明と再発防止などに対する国民の怒りが示された選挙だった」と語った。

 そのうえで古賀氏は、「自民党派閥の裏金事件によって、自民党だけでなく政治全体に対する国民の信頼が大きく揺らいでいる」と指摘。「立憲は野党第1党としての存在を示したが、その結果は敵失の要素が大きく、必ずしも立憲自身の実力とは言い切れない」とする。

 「政治改革に対する自民党の後ろ向きの態度は、時が過ぎれば国民の支持もまた戻ってくるという、おごりからくるものだ。内閣、自民党共に支持率が低迷しているが、野党の支持も伸びず、政権を失うことはないと楽観しているのだ。失敗すればいつでも野党に転落するという緊張感の中で切磋琢磨(せっさたくま)する機会が乏しいのが原因だ。強力なライバル政党がなければ、政権党は慢心し堕落する」と語った。