「ネットに顔写真、差別的な投稿」 在日コリアン女性が市議を提訴

AI要約

大阪府泉南市の添田詩織市議(35)=自民=から在日コリアンの女性(58)がネット上で差別的言動を受け、損害賠償と投稿削除を求めて提訴した。

添田市議は女性に関する誤った投稿を行い、無実の在日韓国人を攻撃したことが明らかになった。

李さんは市議の行為に憤りを表明し、弁護団も公人による卑劣な行動として批判している。

「ネットに顔写真、差別的な投稿」 在日コリアン女性が市議を提訴

 大阪府泉南市の添田詩織市議(35)=自民=からネット上の投稿で差別的言動を受けたとして、在日コリアンの女性(58)が20日、市議に550万円の損害賠償と投稿削除を求め、大阪地裁に提訴した。

 女性は大阪市のイベント制作会社役員の李香代(イヒャンデ)さん。訴状で原告側は、添田氏は中国出身の男性が代表を務める同社から「ヘイトスピーチを受けた」と提訴された今年2月2日以降、X(旧ツイッター)で李さんに関する投稿を始めたと指摘。李さんの顔写真を載せ、「従兄弟(いとこ)は在日留学生捏造(ねつぞう)スパイ事件で死刑判決を受けた李哲(イチョル)在日韓国良心囚同会代表」などと投稿したとしている。

 李哲氏は2015年に再審無罪が確定し、19年には当時の韓国大統領から謝罪を受けている。原告側は、親族に犯罪者がいるかのような誤った投稿で「社会的評価を低下させた」と主張。「一私人に攻撃の矛先を向けた投稿で、議員として到底許されない」と訴えた。

 李さんは20日に会見を開き、「(無実の李哲氏を)愚弄(ぐろう)し、再び犯罪者のような扱いをし、SNS上にさらしたことに、これ以上ない憤りがわきました。何も知らない若者がうのみにしないか心配です」。弁護団長の田中俊弁護士は「公人が個人を標的して攻撃する、卑劣きわまりない言動だ」と話した。

 添田氏の事務所は取材に「訴状が届いていないので答えられない」とした。(大滝哲彰)