「うまずして何が女性か」上川外相が発言撤回 知事選にもキャリアにも傷
自民党の上川陽子外務大臣が、選挙応援演説での女性に関する発言を撤回した背景を説明。
発言が物議を醸しており、女性支援者や野党からの反応もある。
上川大臣は意図を説明するも、女性蔑視との見方もある。
自民党の上川陽子外務大臣(71)が、「うまずして何が女性か」などの発言を撤回しました。背景には何があったのでしょうか。
上川大臣
「女性パワーで未来を変えるという、私の真意と“違う形で受けとめられる可能性がある”というご指摘を真摯に受け止め、この度、“撤回”をさせていただきたいと思います」
26日に投開票を迎える選挙戦真っただ中の静岡県知事選。地元・静岡1区選出の上川大臣が撤回したのは、18日に行われた応援演説での発言です。
上川大臣(18日 応援演説での発言)
「ようやく決断をしていただきました。大きな、大きな命を預かる仕事であります。今、一歩を踏み出していただいたこの方(推薦候補)を私たち女性が“うまずして何が女性でしょうか”」
会場では拍手が起きていますが、「うまずして何が女性か」という発言が物議を醸しています。
上川大臣(18日 応援演説での発言)
「私も初陣の時に、皆さんに『“うみ”の苦しみもあるんだけど、ぜひ“うんでくださいね”』最後の演説で申し上げたんですが。彼(推薦候補)のことを思うと、その場面が頭によぎってくるんです。“うみ”の苦しみは、男性もいらっしゃいますが、本当にすごい。うまれてくるこれから、未来の静岡県。今の静岡県を考えると、私たちはその手を緩めてはいけない」
一夜明け、上川大臣は演説した場所が女性支援者の多い会場だったことや、推薦候補を当選させ、知事を誕生させようと呼び掛ける意図だったと説明しました。
街の人からは、厳しい意見も聞かれました。
60代
「時代錯誤というか、今の考え方とずいぶんかけ離れている方かなとは思いますけど」
20代
「女性がこうあるべきみたいな偏見を持たれるのも嫌だしというのもあります」
一方で、問題と捉えない人もいました。
60代
「失言というか、私としては女性蔑視をしているとは思いませんでした」
50代
「そんなに取り立てて言うことなのかなって、思ったりもします。そんなに怒ってしまうことかなって」
野党からは、次のような反応がありました。
立憲民主党 泉健太代表
「どんな選挙であれ、勢いのつく場面であっても、冷静に言葉を伝えなければ、外交上の問題も発生する。今回のことで、外務大臣としての資質も疑われる発言だったと考えています」
国民民主党 玉木雄一郎代表
「言いたかったのは、“新知事を誕生させたい”と。そういう意味で、“生み出したい”と“うむ”という言葉を使ったと思いますが。言葉は慎重に選ばれた方がよかったのではないかなと」
立憲民主党 岡田克也幹事長
「現職大臣としては、極めて軽率な発言だと思います」
「(Q.閣僚としての資質について)今は特にコメントしません」