認知症行方不明者の家族、当事者団体設立 「声を広く伝えたい」

AI要約

認知症の行方不明者の家族が、支え合い、情報発信をするための当事者団体を立ち上げた。

代表の江東愛子さんが、同じ境遇の人がつながり、声や実態を広く社会に伝えたいと訴えた。

団体は認知症の家族が行方不明になった際の対応マニュアルを掲載し、相談事業やオンラインでの集いも予定している。

認知症行方不明者の家族、当事者団体設立 「声を広く伝えたい」

 認知症の行方不明者の家族が、支え合い、情報発信をするための当事者団体を立ち上げた。代表の江東愛子さん(46)=長崎市=が21日、都内で会見し、「同じ境遇の人がつながり、声や実態を広く社会に伝えたい」と訴えた。

 江東さんの父・坂本秀夫さん(74)は認知症で、昨年4月に自宅から散歩に出かけてそのまま行方が分からなくなった。警察の捜索が打ち切られ、江東さんが個別に捜索を続けるなかで、支えになったのがSNSを通じて同じ境遇の人と知り合ったことだ。「心も体も疲弊してどんどん孤立するなか、話を聞いてもらうことで救われた」と話す。

 団体は先月、全国各地の当事者を含む11人の仲間と立ち上げた。名前は、NPO法人「いしだたみ・認知症行方不明者家族等の支え合いの会」。ウェブサイト(https://npo-ishidatami.org/)に認知症の家族が行方不明になった際の対応マニュアルを掲載しているほか、相談事業やオンラインでの「集い」の実施も予定している。(石川春菜)