カンボジア拠点に特殊詐欺の疑い 「先生」と呼ばれたリーダーら逮捕

AI要約

埼玉県警がカンボジアを拠点にした特殊詐欺に関与した2人を逮捕した。容疑者は否認しており、組織のリーダーとナンバー2と見なされている。

特殊詐欺グループは横浜市の女性から巧妙に102万円をだまし取っており、グループ内では役割分担がされていた。

グループはSNSを使い受け子を募集し、個人情報を盗んで逃亡時の報復を脅し、詐欺を行っていた。

カンボジア拠点に特殊詐欺の疑い 「先生」と呼ばれたリーダーら逮捕

 カンボジアを拠点にした特殊詐欺に関わったとして、埼玉県警は、福岡県小郡市、職業不詳佐々木啓斗(32)と北九州市八幡西区、無職藤本賢太(27)の両容疑者を詐欺容疑で逮捕し、20日発表した。いずれも容疑を否認しているという。県警は、2人が特殊詐欺グループのリーダーとナンバー2とみている。

 組織犯罪対策3課によると、2人は別の人物らと共謀し、2023年12月12日午前8時20分ごろから、横浜市の女性(75)に別居の長男を名乗って「大事な書類をなくした」「今日中に3千万円が必要」などと電話をかけ、同市内の路上で現金102万円をだまし取った疑いがある。

 佐々木容疑者はグループ内で「先生」や「ボス」と呼ばれ、カンボジア国内でメンバーの給料などを管理を担当し、藤本容疑者は日本国内から秘匿性の高い通話アプリを使って「受け子」を集める「リクルーター」に対し、受け子への報酬や受け子が回収した現金の配送に関する指示をしていたとみられるという。県警は、カンボジアの拠点から押収したスマートフォンなどから、2人がグループの上位役であることを突き止めたという。

 グループを巡っては23年12月、カンボジア南部の都市・シヌアークビルの拠点を現地当局が摘発。これまでに2人の配下の受け子やリクルーター計6人が詐欺容疑で逮捕されていた。

 グループはSNSで受け子を募集し、採用者に対して顔や運転免許証、自宅の写真を送信するよう指示していた。収集した個人情報をもとに、逃亡した場合の報復をちらつかせることで、従わせていたという。

 藤本容疑者は22年11月から、東京都内で別の特殊詐欺事件の容疑者として、警視庁に公開手配されていた。(山田みう、浅田朋範)