「3年間で、500体の遺体の脳を売りさばいていた」三重の火葬場で“とんでもない事実”が明るみに…昭和に起きた“脳みそ盗み”事件の一部始終
火葬場で起きた脳みそ盗み事件が明るみに出る
桐生火葬場事件を皮切りに、埼玉や北海道、三重県などで同様の事件が発覚
脳しょうを取り出して薬として売りさばく犯罪が続発
函館や鳥羽でも火葬場職員が脳しょうを売り続ける事件が発生
姉に飲ませられた脳しょうが肺病に効くという迷信
鳥羽では500体もの遺体から脳しょうを抜き取っていた
脳しょうを肺病の薬として販売するケースが多かったが、鳥羽では異なる動機があった
〈「人間の脳が薬になるから、取ってきてほしい」埼玉の火葬場職員が、遺体から脳を盗んで転売…日本各地の火葬場で“脳みそ盗み”が起きていた過去〉 から続く
故人のご遺体を火葬し、その人生を締めくくる場所「火葬場」。今でこそクリーンな運営をしている場所が多いが、かつては火葬場で陰惨な事件が起きていたこともある。
1933年に起きた「桐生火葬場事件」もそのひとつだ。群馬県桐生市で火葬場職員が、火葬場に運ばれてきた遺体から脳漿（脳のまわりを満たしている液）を盗み、高額で売りさばいていたとして、当時、日本中で話題になった。
「桐生火葬場事件」以外にも、日本各地で同様の事件が起こっていたという。いったい、どんな事件だったのか――。ここでは、元火葬場職員・下駄華緒氏が、火葬場で起きた事件を徹底調査してまとめた書籍 『火葬場事件簿 一級火葬技士が語る忘れ去られた黒歴史』 （竹書房）より一部を抜粋して紹介する。（全2回の2回目/ 1回目 から続く）
◆◆◆
遺体から脳しょうを取りだして売る――桐生火葬場事件の発覚を皮切りに、同じような事件が埼玉だけでなく、次々と明るみに出てきていた。
同様の事件を3つ紹介しよう。
北海道の函館では、34歳の火葬場職員が脳を売ったことを昭和7年（1932）4月、警察の取り調べで自白した。
この職員は、同じ函館市の米穀商の男から依頼を受けて、とある遺体から脳しょう70匁（70もんめ、約260グラム）を取りだし、これを10円で売ったという。計算方法によって諸説あるが、いまの価値でいえばだいたい5万円くらいだ。
買いとった米穀商の男は、なんとこれを自身の姉に飲ませた。
じつは姉は長いあいだ肺病を患っていたのである。
しかし、人間の脳が肺病に効くなど迷信。効き目がなかったとのことである。
舞台は三重県の鳥羽。海が近く風光明媚な場所であるが、ここでも陰惨な脳みそ事件が起きた。
ここでは火葬場職員が昭和6年（1931）から昭和8年（1933）9月に至るまで、なんと3年間にわたり脳しょうを売りさばき続けていたというのだ。
その数、なんと500体ほど。とんでもないスケールの事件である。
また、この手の事件では、脳を肺病の薬として売るケースがほとんどだったが、この鳥羽では違った。
関連記事（外部サイト）
- 【つづきを読む】「人間の脳が薬になるから、取ってきてほしい」埼玉の火葬場職員が、遺体から脳を盗んで転売…日本各地の火葬場で“脳みそ盗み”が起きていた過去
- 【衝撃画像】「火葬場職員が、遺体の脳を売りさばいていた」昭和に起きた“脳みそ盗み”事件を画像で見る
- 【＃1を読む】「遺体から脳を盗み、高額で売りさばいていた」群馬の火葬場で“日本を揺るがす大事件”が発覚するまでの経緯
- 【＃2を読む】「雑木林から200体以上の死体が見つかった」火葬場職員が遺体から脳を取り出し、高額で転売…群馬で“日本を揺るがす大事件”が起きてしまったワケ
- 【マンガを読む】大量の遺体から脳を取り出し、高額で販売…「そいつらも共犯だ」群馬の火葬場で起きた“衝撃事件”の真相
