政策の本は0冊、バックは菅&竹中コンビ…「何を考えているかわからない」小泉進次郎(43)を時の人にした“下がり切ったハードル”と“華麗な切り返し”

AI要約

小泉進次郎氏の世論評価は波のように上下しており、SNSとのギャップもある。

進次郎氏はツイッターを避け、地方訪問と伝統芸で支持を得ていたが、ツイッター開設後は発言が話題となった。

進次郎氏は巧妙な立ち振る舞いで注目を浴びつつも、一部で意味不明な発言が話題となることもあった。

政策の本は0冊、バックは菅&竹中コンビ…「何を考えているかわからない」小泉進次郎(43)を時の人にした“下がり切ったハードル”と“華麗な切り返し”

 自民党の総裁選がスタート。今回は有力候補の一人といわれる小泉進次郎氏について考えてみたい。

 まず初当選から現在までの世論の評価を振り返ると面白い。まるで波のような動きなのだ。

 進次郎氏は福島の海の安全をアピールするためにサーフィン姿を披露したら「最近なんだか冴えなかった進次郎人気が再燃することとなった」と書かれたこともあった(「週刊現代」2023年9月23日号)。これなどは波と進次郎氏の象徴的な一件ではなかったか。

 評価が上下するように見えるのは世論にもいろいろあるからだ。新聞社等がやる世論調査とSNSなどのネットの反応では進次郎氏は別キャラになる。この状況は進次郎氏自身も作り出した。

 2010年代になるとツイッターで積極的に発言する政治家も増えたが、進次郎氏は使わない選択をしていた。せいぜいがゆるいブログのみ。熱心な支援者も獲得できる代わりにツッコミも容赦ないツイッターを避けていたように見えた(その後2020年10月に開設、初ツイートは21年4月)。

 では進次郎氏はそのあいだ何を相手にしていたのか。全国をまわり、ご当地の方言を入れたり名産物を褒めたりして喝采を浴びていた。演説の仕上げは自民党への叱咤だ。父親から受け継いだ伝統芸である。当時の選挙特番は進次郎氏に密着して「小泉人気」を率先して盛り上げていた。

 総理への登竜門といわれる自民党青年局の局長を務めていたのもこの頃。東北の復興支援活動にも力を入れてきた。進次郎氏はネット圏外で絶大な支持を集め、いつしか首相にしたいアンケートで上位になってゆく。

 進次郎氏の立ち振る舞い方のからくり、巧妙さが露骨に見えた瞬間もあった。

 演説中の安倍晋三首相の呼びかけで自民議員が一斉に起立・拍手したという件があった(2016年)。あのとき進次郎氏はマスコミの前で「あれはない。ちょっとおかしいと思いますよ。自然じゃない」とコメントした。しかし驚いたのは次の言葉だった。

「僕もびっくりしてつい立っちゃった」。

 テレビカメラの前では「あれはおかしい」と自民党を批判してみせるが、自分も起立していたのだ。それをユーモアのように言ってみせる。うまい、ズルい。

 しかしネットのツッコミが届かない世界でうっとりしすぎたせいか、

《よく聞くと意味が通らない発言が目立つとツイッター上で話題になっている。》(2019年9月23日 東京新聞)という事態にもなった。