歌で平和を訴えるリトアニア…そこで4年に1度開催される「歌と踊りの祭典」をレポート!

AI要約

リトアニアの「歌と踊りの祭典」について紹介。歌で平和を訴える活動や国民の団結力に触れる。

アーティビストの黒部睦さんが取材した模様や現地の様子を伝える。

日本でも歌を用いた社会運動やコミュニティ形成の重要性について考察。

歌で平和を訴えるリトアニア…そこで4年に1度開催される「歌と踊りの祭典」をレポート!

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、アーティビストの黒部睦さんによるリトアニア「歌と踊りの祭典」取材の模様をお届けしました。

◆歌で平和を訴えるリトアニア「歌と踊りの祭典」

バルト海東岸に位置するリトアニア共和国では、これまで社会課題の解決に歌が大きな影響を与え、武器を持たず歌で平和を訴える運動は“歌の革命”と言われてきました。そして、そんなリトアニアでは4年に1度「歌と踊りの祭典」が開催されています。

この祭典はユネスコ無形文化遺産で、1924年に初めて開催され、今年で100周年。今回は6月29日から7月6日にかけて行われたその祭典をアーティビスト・黒部睦さんが取材しました。

リトアニアに赴くと、まずは1989年8月23日、旧ソ連の統治下だったリトアニア・ラトビア・エストニアのバルト三国で約200万人が600km以上に渡って手をつなぎ、独立を訴えた運動“人間の鎖”のモニュメントへ。

そこで黒部さんは「200万人でアクションをすることがまずすごいし、SNSもなく簡単に連絡が取れるわけじゃないときにそれだけ団結していたのは、独立を勝ち取りたい思いが強く、機運が高まっていたんだと思う。そして、この鎖を作っている間も、自国の歌を自国の言語で歌うというのをやっていたそうです」と思いを馳せます。

そして、いよいよ「歌と踊りの祭典」へ。最終日には約4時間に渡り1万人以上の参加者が歌い続けていました。

その光景を目の当たりにした黒部さんは、「自然の偉大さや自分たちが得た民主主義という形を受け継いでいこうという力強い歌詞のものが多く、(全部で)33曲くらい歌っていたけど、こんなにみんなで歌える曲があるのが、まずすごい」と率直な感想を述べます。

さらには、「(歌が)すごく強いパワーになることを感じたし、それだけリトアニアにとって歌がつながるツールというか、自然と一体化、原点に返るツールになっているというのを感じた取材でした」とも。

◆「歌と踊りの祭典」に団結のヒントが!?

黒部さんは「歌と踊りの祭典」の存在を知ったときから、いつか必ず取材したいと思っていたそうで、「(私自身)社会運動をやってきて、歌で独立運動の機運が上がったことが信じられなくて。そこにはどんな歴史があるのか気になった」と今回の取材のきっかけを明かします。その上で、「リトアニアは自然崇拝の期間が長く、今回の100周年のタイトルも“Green Forest Forever”。緑の森を残していこうという歌や踊りがあって、しかもこんなに国民が集まるのが衝撃的だった」と現地取材を回顧。

また、現地の人々に話を聞いてみると、幼い頃から「歌と踊りの祭典」に参加するのが夢だったという方もいれば、参加することで神様と話せるような感覚になるという方も。それぞれさまざまな思いがあるものの祭典ではみんながひとつになっており、「そこに団結のヒントがあると思った」と黒部さん。

壮大な「歌と踊りの祭典」に、関西大学特任教授の深澤真紀さんは「すごいですね」と驚きつつ、「黒部さんは歌で革命なんて信じられないと言っていたが、実は日本でもそうしたことはあった。1969年に起こった(反戦運動)『フォークゲリラ』では新宿西口の地下に多くの人が集まったし、1980年代ぐらいまで日本の社会運動も結構歌を歌っていた」と日本の歌を用いた社会運動について語ります。

一方、脳科学者で理学博士の茂木健一郎さんは、日本でもリトアニアにおける歌と同じようなものがあると言います。それは“ラジオ体操”で、「朝、みんな公園に集まってラジオ体操をする。これはみんなわかるし、歌える」と言い、さらには、「(ラジオ体操で)大事なのはコミュニティが確認できるということ。子どもからお年寄りまで、地域に誰が住んでいるかがわかる、ラジオ体操は日本の資産だと思う」と話していました。