林幹雄・自民党元幹事長代理が政界引退へ、後継「一任」 裏金で処分

AI要約

林幹雄・元幹事長代理が次期衆院選に立候補せず、政界引退を表明した。後継候補については党本部と党県連に一任することを明かした。

後継候補として目指されていた林氏の長男・幹人氏が健康上の問題を理由に後継断念を余儀なくされた。幹人氏は将来の選挙参加について懸念を表明している。

林氏は党の要職を歴任し、裏金事件を受けて処分を受けていた。次期衆院選において党の定年制での立候補が難しく、今期限りでの政界引退を決断した。

林幹雄・自民党元幹事長代理が政界引退へ、後継「一任」 裏金で処分

 自民党の二階俊博・元幹事長の側近として知られ、党派閥の裏金事件を受けて処分が下った千葉県選出国会議員の林幹雄・元幹事長代理(77)=衆院千葉10区=は15日、銚子市内で開かれた会合で、次期衆院選に立候補せず、今期限りで政界を引退する考えを表明した。出席した関係者によると、林氏は後継候補について「党本部と党県連に一任する」と語ったという。

 関係者によると、会合は選挙区内の県議や首長、後援会関係者を対象に開かれた。その中で林氏は「今期で引退する」と表明し、31年に及んだ議員生活を振り返りながら謝意を述べたという。散会後、真意を問う記者団に対して林氏は「党本部や県連にも(引退について)まだ話をしていないので、今日はここまでにしたい」と打ち切った。

■秘書の長男は断念

 後継候補を巡っては、国政選挙の公認候補を目指してきた前県議で林氏の秘書である長男・幹人氏(51)の名前が取りざたされていたが、関係者によると、会合の中で林氏は、幹人氏の健康上の問題を理由に「(幹人氏の)後継は断念せざるを得なくなった」と説明したという。幹人氏は朝日新聞の取材に「日常生活には問題ないが、選挙には耐えられない」と話した。

 林氏は、衆院議員だった父の故・大幹氏の秘書や県議を経て、衆院選は1993年から連続10回当選(2009年は比例復活)。政府や党の要職を歴任し、二階氏のもとで党幹事長代理を務めた。裏金事件を受け、党の党規委員会で、党役職停止1年の処分が下った。次期衆院選を控え、小選挙区で苦戦が予想される中、前回に続いて党の定年制で比例区との重複立候補ができず、去就に注目が集まっていた。

 党県連幹事長の阿部紘一県議は、散会後に林氏から電話で引退を告げられたといい、「びっくりした。後継(候補)については党本部と相談する。できれば公募をしたい」と語った。幹人氏の体調不良については「初耳だ。電話では、その話は出なかった」と話した。(根岸敦生、原口晋也、小林誠一)