「涙が止まらなかった」子宮頸がんで逝去、医師で4人の母の彼女がブログに遺した言葉 娘を持つすべての女性に伝えたい「大切なこと」

AI要約

2019年秋に初めて体調異変を感じ、不正出血が起こり、子宮頸がんの疑いがあった居原田麗さん。しかし初めの検査ではがんではないとの診断だった。

子宮腟部びらんが原因で経過観察を続けていたが、2020年に子宮頸がんの一種である腺がんが悪性であることが判明。がん検診の限界も指摘された。

居原田さんは夫に謝りながら、泣きながら辛い中でした。子宮頸がん検診の精度の限界や腺がんの診断の難しさについても説明があった。

「涙が止まらなかった」子宮頸がんで逝去、医師で4人の母の彼女がブログに遺した言葉 娘を持つすべての女性に伝えたい「大切なこと」

 2024年1月、麗ビューティー皮フ科クリニックを経営する医師であり、4人の子どもの母親でもある1人の女性が子宮頸がんによって、この世を去った。

 女性の名は、居原田麗(いはらだれい)さん。

■定期的に人間ドックを受けるも…

 居原田さんが初めて体調に異変を感じたのは、2019年秋のこと。

 それまで定期的に人間ドックで検査をしていて何ら異常はなかった。しかし、急に不正出血が起こるようになったため、子宮頸がんを疑い、11月にかかりつけとは別の婦人科を受診し検査したところ、「がんではない」との診断だった。

 担当した医師には「細胞の検査でがんではなくてびらんだから、閉経するまで度々出血はするものなので、どうしても気になるならレーザーで焼くこともできます」と言われた。

 びらんというのは「子宮腟部びらん」のこと。子宮の入り口である子宮頸部の粘膜が外に広がって赤くなった状態をいう。性成熟期の女性の多くに見られるため、病的なものではないが、おりものが増えたり、不正出血が起こりやすくなったりする。そのため、経過を観察することになった。

 しかし、2020年2月には風邪でもないのに高熱が出て、排尿の終わりに腹痛が起こるように。今度はかかりつけの婦人科と大学病院へ。診察と検査の結果、子宮頸がんの一種である「腺がん」、それも悪性だと断定できる「classV」と診断された。

■泣きながら「ごめんね、ごめんね」

 居原田さんの夫・河原さんは、こう振り返る。

 「病院で子宮頸がんであることを宣告されたとき、やさしい彼女は自分が一番つらいに違いないのに、泣きながら『ごめんね、ごめんね』と私に謝っていました」

 人間ドックやがん検診を受けていたにもかかわらず、見つからなかったのはどうしてだろうか。産婦人科医の宋美玄先生は「子宮頸がん検診を含め、あらゆる検査の精度は100%ではありません」と話す。

 「また子宮頸がんには、子宮頸部の入り口にある粘膜組織の扁平上皮細胞から発生する『扁平上皮がん』と、子宮体部に近い腺組織の円柱上皮細胞から発生する『腺がん』があり、より奥にできる腺がんのほうが見つけづらいのです」