「日大側の主張は事実無根」…スポーツ特待生から学費をダマし取って解雇された重量挙部監督の「呆れた言い訳」

AI要約

日本大学重量挙部の幹部が10年間にわたり、スポーツ特待生から入学金や授業料を不正徴収していた問題が発覚した。

被害者の一人が、重量挙部の寄付集めが難しかったため、不正行為に手を染めた理由を説明した。

日大は幹部を懲戒解雇し、被害回復や刑事告発の検討を進めているが、被害者からはすでに返済がなされたケースもあると伝えられている。

「日大側の主張は事実無根」…スポーツ特待生から学費をダマし取って解雇された重量挙部監督の「呆れた言い訳」

日本大学重量挙部の幹部が10年間にわたり、スポーツ特待生として入学金や授業料を減免されている入学・入部予定者の保護者に対し、「納付金の免除は2年目から」などと虚偽の説明が書かれた入学案内と納付金の請求書を送付し、部の口座に振り込ませていた問題。日大の発表では<同部幹部A>とされ、実名は公表されなかったが、当該の<幹部A>は監督を務めていた難波謙二氏であり、一部では実名が報じられた。

長らく日大を支配していた田中英壽元理事長体制下では体育会出身者が主流派を形成し、出世してきた。

前編記事『またも日大で不祥事《10年で4000万円をダマし取った》重量挙部監督の「ヤバすぎる素顔」…学費免除のスポーツ特待生から授業料などを「不正徴収」していた』でも紹介したように、難波氏は田中派の一人だった。

なぜ不正行為に手を染めたのか。被害者の一人である重量挙部OBの山田さん(仮名)はこう説明する。

「相撲部はその先に大相撲があり、プロで活躍するOBも多く、お願いすれば寄付は集まります。アメフト部にしてもOBがXリーグで活躍しており、また裕福な家庭の子弟が多いという事情もあり、寄付が集まりやすい。一方で、重量挙部も同じく名門ではありましたが、選手を続ける場合、実業団の枠はわずかであり、教職に就くのが現実的でした。当然、寄付は集まりにくかった。

重量挙げはお金がかかる競技ではありませんが、有望選手の獲得にはそれなりのお金が必要となります。現実問題として、入学金や授業料をかすめ取るような手段しかなかったという面もあると思います」

日大は実名こそ出さなかったが、7月26日付で難波氏を懲戒解雇とし、コーチだった別の男性教員も降格処分とした。現時点では難波氏が騙し取ったとされる入学金や授業料は1年で400万円、少なくとも10年で4000万円に上るというが、さらに遡って同様の不正がなかったかを調査している。すでに当該部員の被害回復の手続きを始めており、難波氏に対する刑事告発も検討しているという。

「報道を受け、母が大学側に『うちも被害に遭っているのではないか』と問い合わせたところ、競技スポーツセンター事務局から母親宛てに手紙が届きました。すでに大学側から返済がなされているケースもあると聞いております」(山田さん)

当事者である難波氏は何を思うか。携帯電話を鳴らしたところ、「学校側が一方的にそういったことを言っているが、いろいろ食い違う点がある。詳しくは弁護士に聞いてほしい」と徹底抗戦をにおわせた。難波氏の弁護士が補足する。

「解雇という処分には納得していません。『免除は2年目から』と虚偽の書面を保護者に送付して詐欺をしたという日大側の主張はまったくの虚偽であり、発表文について公式HPからの削除を求めています。

保護者には『免除になった部分の一部を部の活動費に充ててくれないか』という説明をしており、保護者の方の『協力します』という同意を前提にしてやっていた制度です。そもそも昔から慣行としてあるもので、(前任者から)引き継いだ難波氏は制度としてやっていただけです。

お金は監督である難波氏のもとに集まっていましたが、ここ3、4年、保護者への説明やお金の徴収など実務はコーチに任せており、彼は差配していただけ。集まったお金は、コーチが選手をリクルートするときの出張費や保護者らとの飲食費として使用していました。

ここ2、3年、若干私的に使用したのは事実ではありますが、大部分は部の活動費として使用していましたし、この制度自体、隠してやっていたわけではありません」