元妻「殺していない」無罪主張  「紀州のドン・ファン」殺害初公判

AI要約

和歌山地裁で、野崎幸助さん殺害事件の元妻による初公判が行われた。被告は無実を主張し、起訴内容を否認している。

検察側は野崎さんに覚醒剤を摂取させたのは被告だけであったと主張し、間接証拠を積み上げて立証を図る方針。

逮捕から3年を経て公判が始まり、裁判員裁判で審理される予定。判決は12月12日に言い渡される予定。

元妻「殺していない」無罪主張  「紀州のドン・ファン」殺害初公判

 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家、野崎幸助さん(当時77)を2018年に覚醒剤を摂取させて殺害したとして、殺人などの罪に問われた元妻、須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の初公判が12日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)で始まった。須藤被告は「私は殺していませんし、覚醒剤を摂取もさせていません」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。

 起訴状によると、須藤被告は18年5月、和歌山県田辺市の野崎さんの自宅で、致死量を超える覚醒剤を野崎さんに摂取させて殺害したとされる。

 検察側は、死亡当日に野崎さんに覚醒剤を摂取させることができたのは、2人だけの時間帯があった須藤被告しかいないと主張。目撃証言や被告の自白などの直接証拠がなくても、覚醒剤の入手や野崎さんに摂取させる方法など、被告の犯行だと推測させる間接証拠を積み上げることで、起訴内容を立証する方針だ。

 一方で弁護側は、被告は野崎さんの死亡に全く関わっていないとして、無罪を主張するとみられる。

 須藤被告は、野崎さんの死亡から約3年後に逮捕・起訴され、その後、検察側と弁護側が争点を絞り込む「公判前整理手続き」を重ねてきた。起訴から約3年を経て、公判は裁判員裁判で審理される。予備日を含め26日間の期日が決まっており、判決は12月12日に言い渡される予定。(河原田慎一、伊藤秀樹)