【独自】190万円支払うも太陽光パネル設置されず社長は“雲隠れ” 直撃に「コロナ禍で資金繰りに行き詰まった」「できる範囲で返金」
太陽光パネルの設置契約をめぐる被害を訴えるAさんとCさんの話が明らかになる。
業者Bが資金繰りで困難に陥り工事を先延ばしにし、被害者は怒りと不信感を募らせている。
国民生活センターによると、太陽光発電を巡るトラブルが再び増加傾向にある。
被害を訴える女性が指さす契約書に記されていた金額は190万円。
マイホームに設置されるはずだった太陽光パネルの契約書です。
屋根には3年前、太陽光パネルが設置される予定でしたが、いまだ取り付けられていません。
4年前、東京都内の新築1戸建てを購入したAさん。
その際、不動産会社に紹介された「業者B」と太陽光パネルの設置契約を交わしました。
被害を訴えるAさん:
戸建てを令和2年に購入して、「このお宅だったら太陽光つけた方がいいですね」みたいな説明を受けて、不動産屋さんの紹介だったので何も疑うことなく信用してしまい、契約に至った感じです。(Q.費用はいくら?)190万円です。
ところが「業者B」は、あの手この手の理由をつけて工事を先延ばし。
そしてついに、連絡が取れなくなり、雲隠れ状態になったといいます。
被害を訴えるAさん:
7月を最後に、もう一切連絡に出てくれない。会社に電話すると、いつも「現在回線が混み合っております」という音声だけが流れる。戸建てを買った不動産屋さんに紹介してもらったので、問い合わせたところ(被害件数)10件くらいは把握しているとの話でした。
SNSには同じ「業者B」での被害を訴える投稿が続々。
やはり「太陽光パネルが設置されない」というCさんは、直接、都内にある業者の本社を訪ねましたが…。
被害を訴えるCさん:
8月26日に仕事が早く終わりまして、実際に(本社に)行ってみたら電気もついていなくて、人影も全くないような状況だったので、もうこれは飛んだんだなという印象を受けました。
一体何が起きていたのか。
「イット!」取材班が業者の行方を追ったところ、11日朝、音声を使用しないという条件でインタビューに応じました。
業者Bのコメント:
コロナが流行したあたりから、資材の高騰や供給の遅延があり、資金繰りが回らなくなってしまった。なんとか解消しようと営業を続けてきたが至らず、現在のような状態になった。
「コロナ禍で資金繰りに行き詰まった」と説明した業者側。
被害を訴える人たちへの対応については「月々ちょっとできる範囲で返金させていただく。工事を希望される方には、1年か2年ぐらいで全て終わるかなという計画をしている」と返金対応や設置工事を進める意思を示しましたが、憤りの声は契約者だけでなく、工事を請け負った他の業者からも上がっていました。
設置工事を請け負った下請け業者:
太陽光の工事お願いできないかと3月4月で5、6件。かなりシビアなお客さんがいて、「やっと工事来てくれたんだ。我々契約したの2年前なんですけど」みたいなお客さんがいまして、そのときから何か怪しいなって。ちゃんと金さえ振り込まれれば大丈夫でしょうって言ってた。
「業者B」に依頼され、2024年3月と4月に太陽光パネルの設置工事を請け負ったというこの会社。
月末になり支払いを請求すると、嫌な予感が的中したといいます。
設置工事を請け負った下請け業者:
案の定4月末締めの支払いが来なくて、支払われてない額が150万円。最後の連絡が8月6日。許せないですね。
国民生活センターによりますと、太陽光発電を巡るトラブルの相談件数はコロナ禍で減ったものの、再び増加傾向に。
その多くが、契約や解除などに関する相談だといいます。
そして11日の取材中、被害を訴えたAさんが、業者Bの社長が雲隠れをしてから初めて、直接、真相を究明する機会が生まれました。
被害を訴えるAさん:
全く誠意を感じないです。どんな忙しい人だって電話ぐらいできるじゃないですか。
3年もの間、工事を行わず、「対応にも誠意がなかった」と業者の社長に思いをぶつけたAさん。
被害を訴えるAさん:
(社長の声を聞いたのは?)初めてです。この期に及んで、全てに対して逃げているようにしか感じなかった。不信感は膨れました電話で。全額返金を求めて、一切付き合いたくないですね。
この取材のあと、業者Bはホームページを更新。
新たな専用窓口ダイヤルを設け、契約者への対応にあたるとしています。