宝塚歌劇の団員死亡で西宮労基署が是正勧告 歌劇団「内容確認中」

AI要約

宝塚歌劇団の劇団員の女性が死亡し、労働基準監督署から是正勧告を受けたことが発表された。

死亡直前の劇団員の長時間労働や心理的負荷について指摘され、歌劇団は安全配慮義務を果たせなかったと認めた。

労働契約か業務委託契約かの論争もある中、是正勧告を受けて歌劇団は改革に向けた取り組みを続けることをコメントした。

宝塚歌劇の団員死亡で西宮労基署が是正勧告 歌劇団「内容確認中」

 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の劇団員の女性が死亡した問題で、歌劇団は6日、西宮労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けたと発表した。歌劇団は取材に対し、「勧告の内容は現在確認中で、改めて説明の機会を設ける」としている。勧告は5日付。

 2023年9月30日に劇団員の女性が死亡。歌劇団が11月14日に公表した調査報告書は、死亡直前1カ月に118時間の「時間外労働」があったと試算し、長時間の業務などにより心理的負荷がかかっていた可能性を指摘した。木場健之(こばけんし)理事長(当時)も記者会見で「安全配慮義務を果たせなかった」と不備を認めていた。

 女性はフリーランスという形式で、歌劇団とは雇用契約(労働契約)ではなく、業務委託契約を結んでいた。しかし、専属契約で拘束性の強い内容となっていることから、遺族側代理人の川人博弁護士は労働契約に当たると主張していた。

 西宮労基署は11月22日以降、歌劇団に複数回にわたり立ち入り調査。組織の体制、労働時間の管理方法、勤務実態などを聞き取り、資料の提供を受けていた。

 歌劇団は「是正勧告を重く受け止め、適切に対処するとともに、現在進めている歌劇団の改革に向けた取り組みを続ける」とコメントしている。【松室花実】