2024宜野湾市長選挙特集 暮らしの現場から(1)普天間基地の移設問題について市民が望む解決策は?

AI要約

宜野湾市長選挙において、普天間基地の移設問題が焦点となっている。市民は早期返還を望み、跡地利用による経済発展を期待している。

基地の返還が遅れる中、市民は睡眠障害や環境問題に悩まされている。一方で、辺野古移設に対する不安も広がっている。

市民は基地問題による分断を終わらせ、自立経済を築くための新たな市政の展望を求めている。

2024宜野湾市長選挙特集 暮らしの現場から(1)普天間基地の移設問題について市民が望む解決策は?

2024年9月8日投開票される宜野湾市長選挙。街のど真ん中に位置する普天間基地の移設問題について、市民はどのような解決を望んでいるのか?市民の思いを取材した。

宜野湾市で廃棄物処理業を営む島袋鈴美香さん。会社を経営していくなか、昨今の燃料費の高騰や人手不足の問題に頭を抱えている。

島袋鈴美香さん:

募集してもなかなか人手が見つからない所も多いですし、1週間に燃料は2回から3回、満タンにするんですよ。その都度、1万円近くの燃料費がかかるので、それを考えると20年前から比べると4~5倍高いかもしれません

物価高によって経済に閉塞感が漂うなか、島袋さんは次の市長に普天間基地の早期返還を実現してもらい、跡地利用による経済の発展を期待している。

島袋鈴美香さん:

宜野湾ならではみたいなところが他にはない。ど真ん中に土地がある。返還後の大きさを考えると凄い企業誘致ってできると思う。企業誘致が出来る事によって税収アップに繋がったり、市民に還元するということは行政は可能だと思う

1995年の少女暴行事件をきっかけに翌年、日米で返還が合意された普天間基地。

2024年で合意から28年が経過したが、いつ返還されるのか政府から明確な期日は示されていない。

島袋さんは、危険性除去と跡地利用による経済発展に向けて辺野古移設を進めるべきと話す。

島袋鈴美香さん:

私たちと同じような環境が向こうに移るというのは心苦しい所はもちろんあるが、普天間基地を移設しない限り、今後の沖縄県の基地問題は色んな意味で進展していかないかなと

中学生と小学生の娘がいる仲宗根愛子さん。子どもたちが寝静まる午後10時から11時頃にも米軍のヘリが住宅地上空を飛び交い睡眠が妨げられると話す。

1996年、普天間基地の返還合意が日米で発表され、当時、周囲の大人たちが喜びに沸く光景を子どもながらに覚えている。

仲宗根愛子さん:

私が9歳ぐらいの時に「96年に返還します」って、その時最初に出たイメージがみんなでもう大喜びした。テレビの前で全面返還だと

しかし、5年から7年とされた返還期日はいつの間にか立ち消え、政府は、「返還は辺野古移設を含む、日米で合意された8つの条件が満たされた後」としている。

仲宗根さんは、「辺野古への移設が早期の危険性の除去にはならない」として、新たな市長には国としっかりと交渉して早期返還に向けたあらゆる可能性を探ってほしいとしている。

仲宗根愛子さん:

軟弱地盤の問題。深さ70メートル以上の工事をしたことが無いのに、政府は具体的な年数を言えないし予算もきっとわからない、これからも膨らむでしょうし。早期解決の手段として現実的ではないと思います

仲宗根さんは、「宜野湾市民はこれまで基地を巡って分断されてきた」と話し、将来的には基地に頼らない自立経済を目指してほしいと話す。

仲宗根愛子さん:

将来的に地方自治を取り戻して国に依存するのではなく、ちゃんと市のトップが予算の使い方を決めて未来を作ってほしい

宜野湾市の最大の課題である普天間基地の早期返還に向けて、新たなリーダーはどう向き合っていくのか…。

市民一人一人の一票に思いが込められている。

(沖縄テレビ)