今後「迷走台風」増える可能性 なぜ台風10号はノロノロで複雑な動きに?離れた場所でも大雨被害…気象予報士が解説
台風10号は複雑な動きをし、勢力が強まり各地で大きな被害が出た。
台風の進路が予想外に変わり、西側を通ることで「迷走」し、海上にとどまっていたために勢力が強化された。
今後も太平洋高気圧の勢力が強まらず、迷走する台風が増える可能性がある。
台風10号は9月1日、熱帯低気圧に変わった。台風10号は動きが遅く、複雑な動きをし、勢力も強まったことから、各地で大きな被害が出た。また、離れた場所でも大雨による被害が大きくなった。なぜ「迷走」したのか、この先も、このような台風が増えるのか、岸本慎太郎気象予報士の解説。
ーー台風10号は、当初の予想と比べて進路が大きく変わった
8月24日の天気図です。かなり複雑な動きをしまして、勢力も強くなり各地で被害が出ました。
台風10号は、西側にある「寒冷渦」という上空の冷たい渦に引き込まれるようにして予想よりも西側を通っていきました。本来乗るはずの偏西風にも乗れず、九州付近でノロノロと複雑な動きをしたんです。
台風の動きが遅く、ずっと海の上にとどまっていると勢力が強くなり、台風から離れた場所でも大雨となり被害が大きくなりました。
ただ、長野県にやって来るころには、九州や四国などの陸地を長く通ったことで勢力がかなり衰えました。信州は山に囲まれていて雨雲があまり入ってこず、結果的に台風の直接的な影響は小さく済みました。
ーー今後もこういう台風が増える?
この先も台風を動かす太平洋高気圧の勢力は強くならない見込みで、この先もこのような複雑な動きをする「迷走台風」が多くなるかもしれません。
(長野放送)