「早く来て!お母さん!!」火葬場職員が目の当たりにした”身寄りのないご遺体”の悲痛な叫び

AI要約

火葬場で働く下駄華緒さんが体験した壮絶な出来事を漫画「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」にもしたためられている。

身寄りのないご遺体のお骨を保管する霊安室でのエピソードや運ばれてきた豪華な棺桶のお話。

骨つぼのラベル番号が「クルシイハヤク」というメッセージを下駄華緒さんに伝えたとされる事件。

「早く来て!お母さん!!」火葬場職員が目の当たりにした”身寄りのないご遺体”の悲痛な叫び

これまでに1万人のご遺体を見送った下駄華緒さんが火葬場職員時代の体験を明かし、注目を集めているYouTubeチャンネル「火葬場奇談」。その壮絶な体験は「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」(原案:下駄華緒/漫画:蓮古田二郎)として漫画化も果たしている。

人間、死は平等に訪れるが、その「最期」はそれぞれの人生によって異なる。記事前編では、身寄りのないご遺体のお骨を保管する際のエピソードを紹介した。霊安室に何百と並べられたご遺骨を前にして起きた事態とは、いったい何だったのだろうか――。

ある日、下駄さんと後輩は火葬場の霊安室で身寄りのないご遺体のお骨が納められた骨つぼを並べなおす作業を行っていた。

「ここに並べられた身寄りのないお骨たちの気持ちってどんなものでしょうね」

「自分だけお迎えが来なくて、みんな帰っちゃった夜の保育園に1人とり残されても、まだ待ってる子供のような気持ちかな…」

下駄さんたちは小さい骨つぼの中にそんな子供が1人ずつ入っていると思うと、やりきれない気持ちに駆られる。

そんな時、霊安室に火葬まで一時保管するご遺体が運ばれてきた。遺族が多くて段取りに手間取ったらしく、到着まで時間がかかるため見張っておいてほしいというのだ。

その棺桶は豪華な装飾がほどこされ、裕福な方だったことが分かった。

「この方は遺族がたくさんいるのに、周りのお骨はひとりぼっちなんですね」

「人間の人生って不平等だね」

下駄さんたちは思わずつぶやく。そんなとき、ふと棚に並んだ骨つぼのラベル番号を見て、下駄さんは目を見張る。

「96」「41」「88」「9」

骨つぼたちは、ゴロ合わせで「クルシイハヤク」と並んでいたのだ。それが、下駄さんたちにはたんなる偶然には思えなかった。

「早く来て!!お母さん!!」お迎えを待ち続けるお骨たちの悲痛な叫びのように感じられたのだという。

…いかがだろうか。人間は生まれたからには、みんな平等に死んで行く。けれども、その「生」はけっして平等とはかぎらない…。人生の最後に携わる人々の物語――今一度「生きること」や「命の尊さ」について考えてみるきっかけになるかもしれない。

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下駄華緒/元火葬場職員。2018年、バンド「ぼくたちのいるところ。」のベーシストとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。怪談最恐戦2019怪談最恐位。火葬場職員時代の経験を生かしたYouTubeチャンネル「火葬場奇談」が話題。Twitterアカウント⇒@geta_hanao

蓮古田二郎/千葉県在住。二児の父。背景は妻が担当。主な著書に「しあわせ団地」(講談社)がある